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穂積隆信…「積木くずし」と試練の人生から最期まで





本名は鈴木隆信。
その人物こそ、2018年10月19日に亡くなった俳優の「穂積隆信」さんです。

1982年に穂積さんが娘の非行とそこからの更生をつづった「積木くずし 親と子の二百日戦争」は280万部といわれる大ベストセラーになりました。

1983年2月から3月にかけて放送された高部知子主演のテレビドラマも、最高視聴率45.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という民放ドラマ最高記録を残したのです。
しかし穂積家には、この後、様々な試練が襲いかかりました。

名前:穂積隆信(ほづみたかのぶ)
本名:鈴木隆信
生年月日:1931年7月20日~2018年10月19日(享年87歳)
職業:俳優、声優
所属:マウスプロモーション
出身:静岡県伊豆の国市(旧・田方郡大仁町)
学歴:静岡県立韮山高等学校



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1983年10月18日、新宿で警ら中の私服警官は歌舞伎町をうろついている一人の少女を補導しました。
少女の荷物からはトルエンが発見されます。

彼女は「トルエンを買ってボーイフレンドの家に行くつもりだった」とトルエン遊び目的であることを認め、毒物及び劇物取締法違反の容疑で逮捕されました。

この少女こそベストセラー「積木くずし」の主人公・穂積由香里さん(当時15歳)だったのです。
「トルエンを吸うことは悪いことだとわかっていますが、両親が講演などで留守がちだったから、自分は好きなことをした」と、由香里さんは取り調べで語りました。

結局、由香里さんは3カ月間の少年鑑別所入りとなったのです。
「積木くずし」では暴走族グループに加わり、シンナーにおぼれる娘がラストではシンナーをやめると誓い、立ち直る姿が感動的に描かれていたので、このニュースに世間は驚きました。

父親の穂積隆信さんも捨て身で娘の非行と立ち向かった美談の主として教育評論家のように講演をこなす毎日でしたが、一転してバッシングが始まります。
しかし、穂積家の不幸はこれにとどまりませんでした。

由香里さんはこの後、1985年8月に覚醒剤所持で逮捕されて初等少年院に4ヶ月間収監されます。
1986年12月に女優としてデビューを果たすも、1990年の7月と8月にまた覚醒剤所持で逮捕されました。

一方、穂積さんの妻は娘を連れ、3億円以上あった印税収入や講演料を預けていた会計士を名乗る男と共に逃げ出して姿を消してしまいます。
穂積さんは無一文となったばかりか、妻が穂積さん名義で残した1000万円の借金が肩にのしかかりました。

その上、妻は親類から相続した伊豆の土地を1億2000万円で無断売却し、その分の所得税約3000万円も支払うハメになったのです。
ベストセラー作家から一転、膨大な負債を抱えた穂積さん。

穂積さんは警察に相談したが、「これほど見事にごっそりやられた事件は初めて…」と驚かれたと言います。
穂積さんと妻は双方が弁護士を立てた泥沼の争いの末、1987年に離婚しました。

そして2001年、この妻が頸動脈(けいどうみゃく)を切って自殺したことが報じられます。
あれだけ莫大な財産を持って家を出た妻でしたが、最後の暮らしは生活保護で預金通帳には2万円しか残っていなかったということも発覚しました。

その2年後の2003年、今度は穂積さんの元に戻って来てヘルパーとして介護の仕事に取り組み始めていた由香里さんが、心不全で35歳の若さで突然死します。

この模様は実録モノとして制作され、2012年11月に穂積さん自身が出演して「最終章」が放送されました。

そんな穂積さんも2018年10月19日に、胆嚢癌(たんのうがん)のため神奈川県の病院で亡くなります。
なお、本人の生前の希望により遺体は献体されました。
名脇役のあまりにも波乱に満ちた人生がここに幕を閉じたのです。




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