明治時代に始まった「壮士芝居」、「書生芝居」などをもとに歌舞伎とは異なる新たな現代劇「新派」…
その新派のベテラン女優として活躍しているのが2代目・「水谷八重子」さんでした。
そんな水谷さん…
まだ2代目を襲名する前、良重と名乗っていた1984年に、交通事故の後、自宅から飛び降りるという事件があったのです。
さらにこの事件をきっかけに彼女と人気歌舞伎俳優の不倫も発覚して、当時の芸能マスコミは騒然としました。
名前:2代目・水谷八重子(みずたにやえこ)
本名:松野好重(まつのよしえ)
生年月日:1939年4月16日(80歳)
職業:女優、歌手、演出家、エッセイスト
所属:TBSスパークル(旧:キャスト・プラス)(窓口として)
出生地:東京府青山(現・東京都港区)
学歴:文化学院
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1984年8月3日午後3時過ぎ、東京都文京区春日の路上で、フラフラと走ってきた乗用車が停車中の道路工事の作業車にぶつかりました。
運転する女性は引き返し、もと来た方向の近所の高級マンションに入っていき、道路工事の作業員が警察に通報したのです。
警察はすぐ女の身元を突き止めたのですが、その女性こそ女優の水谷良重さんだったのです。
警官はマンションの2階にある水谷さんの部屋を事情聴取に訪ねました。
水谷さんは部屋に引きこもってドアを開けません…
警官が「部屋から出なさい」と言うと、中からは「出ない」という声が聞こえ、押し問答が延々と続きました。
水谷さんはそのうちに裏側の窓から3メートルの中庭へと飛び降り、駆けつけた警索官が取り押さえられます。
何とも不可解な行動でした。
すぐマスコミには薬物を使用しているのでは?というウワサが飛び交いました。
しかし、水谷さんは警察の取り調べに対して、朝まで起きていて、寝る前に常用の精神安定剤とシャンパンを飲んだだけと語り、事実それ以外の薬物反応は出なかったのです。
そして、さらに新事実が出ます…
この日、水谷さんは家でこの事件の2年半後、40歳の若さで急逝した人気歌舞伎俳優の初代・尾上辰之助さん(当時37歳)と過ごしていたというのです。
辰之助さんには妻子がいました。
ちょうど週刊誌一誌が二人の不倫関係を嗅ぎ付け、直後に発売の号にスクープ記事掲載を予定していた矢先のことでした。
飛び降りに関して、不倫関係のこじれがもとの自殺未遂ではないか?と疑われたのです。
ワイドショーで連日大騒ぎとなる中、8日、水谷さんは築地の松竹本社で記者会見を開きました。
中庭に飛び降りたのは、気が動転してしまい、つい2階の窓から逃げ出したのです。あそこから飛び降りたのは実はこれで3回目なんです。私は仮に、もし命が危なくなった場合でしたら、まっ先に逃げ出すタイプの女です。
と、自殺の意図はなかったと釈明…
辰之助との仲については、
親友ですし、私の一番大好きな男性です。芝居の上でもプラスになる友人ですし、今後も今まで通りにお付き合いしていきたい。
と思いを語って、仕事上の関係であることも強調しました。
ところが、今度は10日に、ロサンゼルス郊外で行われる歌舞伎公演のため渡米する尾上辰之助さんが空港で記者会見に応じます。
辰之助さんは、
大好きな女性で大切な人。2人は恋人ということでしょうね。これからもつっかえ棒になってやりたい。
と堂々の恋人宣言をしたのです。
さらに夫人とは、
離婚する気はありません。そういう結論を出す必要はないと思っています。
と言明…
歌舞伎界の常識は世間の常識とは、やはり違うと報道陣はあっけに取られたのでした。
これを聞いた水谷さんが「えらいことを言ってくれたね」と苦笑いしたほどの不倫宣言だったのです。
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