1963年に「男船」でレコードデビューし、翌年にリリースした「あゝ上野駅」が大ヒットとなった演歌歌手の「井沢八郎」さん。
女優の工藤夕貴さんと、元俳優でクラブDJの工藤正貴さんの父親としても知られる井沢さんですが、実は過去にデートクラブで未成年の女性を買春したとして、大きな騒ぎとなったことがありました。
名前:井沢八郎(いざわはちろう)
本名:工藤金一(くどうきんいち)
生年月日:1937年3月18日~2007年1月17日(享年69歳)
職業:演歌歌手
レーベル:東芝音楽工業
出身:青森県弘前市
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事件が発覚したのは、愛知県警と名古屋中署が1985年12月4日までに摘発したデートクラブに勤めていた少女4人を含む7人のデート嬢を保護し、事情聴取したことがきっかけでした。
そのうちの一人、A子さん(当時16歳)が、
9月初め、市内のホテルで有名歌手と名乗る男を客にし、「あんたと同じくらいの年令の娘がいる。タレントの工藤タ貴だ。知ってるか?」と言われた。
と井沢八郎さんのことを話したのです。
これを知った地元紙が大々的に報道し、大きな騒ぎとなりました。
当初、井沢さんの所属事務所は、この報道には全面否定していました。
けれども、警察からの事情聴取が取り沙汰されるに及び、とうとう隠し切れず、TBSで記者会見を行うことになります。
この席で井沢さんは、終始うつむき加減で「本当に申し訳ない」と、反省した様子でした。
マネージャーと飲んだ後、ホテルに戻り、9時半頃デートクラブに電話をかけました。そしたら20才ぐらいの子が行くからというので…
と、ささやくように答えたのです。
この事件で問題となったのは、井沢さんが淫行した際に、A子さんが未成年であることを知っていたかどうか?という点でした。
というのも、「愛知県青少年保護育成条例」では、6才以上18才未満の青少年に対し、淫行または猥褻(わいせつ)行為は禁じられており、これに違反すれば1年以下の懲役、または10万円以下の罰金という規則があったからです。
実がこの事件よりも前に、歌手の松崎しげるさんと落語家の桂きん枝(4代目・桂小文枝)さんも同様の問題を起こしていました。
松崎さんは1984年、当時17歳だったホテル嬢と関係を持ったことで淫行容疑でかけられました。
きん枝さんは1983年8月に、18歳未満の女子と夜中一緒に歩いていたところを警察官に見つかり、任意同行・書類送検されるという事件を起こしていたのです。
松崎さんは相手が未成年だと知らなかったことが認められ、単に厳重注意で終わっていますが、きん枝さんの時は、本人が未成年と知っていたために10万円の罰金を科せられました。
さらに、きん枝さんは所属の吉本興業からも無期限謹慎処分を受け、しばらくは一般企業で働いていたのです。
井沢さんの事件では、A子さんが大柄で大人びた容姿であったこと、部屋がうす暗く井沢さんの「未成年だと思わなかった」の発言にも信ぴょう性がありました。
ただ会見の席上で、リポーターから「行為はあったのか?」という質問には、消え入るような声で、「ありました…」とはっきり答えています。
さらに、井沢さんが呼んだデートクラブのシステムは70分2万円でした。
加えて、30分延長ごとに1万円を払う仕組みになっており、ここで井沢さんは4万円を支払っています。
少なくとも2時間近くはA子さんと一緒にいたことになります。
しかもA子さんの供述によれば、彼女は井沢さんの娘・工藤夕貴さんのファンで、井沢さんはその父親だとはっきり聞いて、サイン入りプロマイド写真までもらったと言います。
このやり取りの中で、年令の話が出ていたとしても、決して不思議なことではありませんでした。
井沢さんは八王子の豪邸に、妻と娘の夕貴さん、そして息子の正貴さんの4人で住んでいましたが、夕貴さんがタレントとしてデビューしてからは、妻と夕貴さんは世田谷のマンションに移り住み、寂しい暮らしを送っていたと言います。
娘が自分と同じ歌手になり、妻はそのステージママとなって家を空ける日々が多くなっていました。
井沢さんも「バレなければ…という気持ちは確かにありました」と語っています。
会見では、
本当に申し訳ありません。私生活を引き締めて、汚名挽回したい。これからは一人で生きていきます。
と離婚までほのめかした井沢さん。
所属事務所も、「ここ当分は謹慎させる方向で行きます」とコメントし、会見は終了しました。
しかしその後、井沢さんに隠し子の存在も明らかとなり、一時的に芸能活動ができなくなってしまいます。
当然ながら、一連の不祥事で妻との関係も悪くなり、1989年には離婚。
娘の夕貴さんとも絶縁状態となってしまいました。
ただ、晩年は夕貴さんとも和解し、声優の青羽美代子さんと1993年に再婚。
青羽さんは2007年に井沢さんが亡くなるまで連れ添いました。
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