間もなく8月15日…この日は日本人なら誰もが知る終戦記念日ですが、津川雅彦さん・朝丘雪路さん夫妻にとっては別の理由で特別な意味を持っているのです。
なぜなら現在、女優として活躍される一人娘・真由子さんが誘拐された日だからです。
名前:真由子(まゆこ)
本名:加藤真由子
生年月日:1974年3月18日(43歳)
職業:女優
所属:グランパパプロダクション
出身:東京都
家族:津川雅彦(父)、朝丘雪路(母)
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1974年8月15日午前2時30分、生後5カ目だった真由子ちゃんは、東京・世田谷の津川邸2階にある6畳の子ども部屋で、看護師からミルクを与えられていました。
真由子ちゃんがミルクを飲み終わり寝息を立てると、看護師も浅い眠りにつきます。
それからしばらくして、看護師は部屋に入ってくる男の気配を感じました。
男は真由子ちゃんを抱き上げると部屋を出ていったのですが、その時は疑問を持ちませんでした。
「津川さん(当時34歳)が真由子ちゃんを自分のベッドに連れていったのだろう」と思ったからです。
ところが、30分以上経っても戻ってこない…
津川さんが連れていったのなら、真由子ちゃんが目を覚ます前に子ども部屋に返すはず…
おかしいと感じた看護師は夫婦の寝室に行くと、津川さんも朝丘さん(当時39歳)もぐっすり眠っていました。
「旦那さん、真由子ちゃんをお連れになったんじゃ…」という看護師の言葉に津川さんは跳び起き、誘拐が判明したのです。
看護師が警察に連絡…
時間は午前3時40分になっていました。
午前4時、津川邸の電話が鳴ります。
駆けつけた巡査部長が津川さんのフリをして受話器を取ると、犯人の男は500万円を要求…
15日正午過ぎには指定された口座にお金を振り込むものの、犯人の動きはなく、再び津川邸に電話がかかってくることもありませんでした。
ジリジリとした時間が過ぎる中、16日午後0時15分…
東京駅南口の銀行出張所に一人の男が現れます。
男がATMから29万円を引き出すと、都内各所で張り込み中の刑事が身柄を確保…
窃盗などで逮捕歴が4回の23歳のTが犯人でした。
その後、午後1時から築地署で取り調べが始まりますが、犯人のTは真由子ちゃんの居場所をなかなか言いませんでした。
口を割ったのは夕方近くになってから…
犯人である23歳の男は当初、佐川満男さん・伊東ゆかりさん夫妻の長女を誘拐する予定でしたが、住所がわからなかったため、津川さん夫妻の長女に変更したとのことでした。
そうして供述にあった千葉県のアパートに捜査員が踏み込むと、Tの妻と生後1カ月の男の子とともに、腹ばいになって無心に遊ぶ真由子ちゃんの姿があったのです。
真由子ちゃんは無事救出され、16日午後7時40分、警視庁は極秘捜査を解除…
連れ去られてから41時間が経過していました。
その後の捜査で、犯人Tは津川さんの家庭状況や自宅の住所・間取りなどの知識を週刊誌等で得ていたことが判明…
裁判では犯人Tに懲役12年6カ月が確定しています。
真由子ちゃんが保護されている都心の病院に向かう車中…
津川さんと朝丘さんはジャンケンをしました。
どちらが先に愛娘を抱くかで揉めたからです。
結果は津川さんの勝ち…
病院に着くと150人を超す報道陣が待ち構えていました。
ずっと泣き通しだった朝丘さんは化粧をしておらず、いつもよりずっと幼く見えました。
無精ヒゲを伸ばした津川さんは報道陣をかきわけ病室に行き、検査を終えた真由子ちゃんを受け取ると朝丘さんが待つ部屋に急いだのです。
娘を抱きしめると朝丘さんの目から涙があふれ出ました。
11時過ぎ、3人は自宅に戻り、駆けつけた親戚や仲間とビールで乾杯…
津川さんはニュースを見ながら「このテレビ、おれたちのことをやっているよ」とおどけ、みんなを笑わせたそうです。
こうして津川家の悪夢の41時間は終わりました。
一人娘の真由子さんを溺愛していた津川さん…
もし、真由子さんに恋人ができたとしても、「(娘の彼氏を)好きになれるはずがない」と、断固娘の恋人を拒否し続けていました。
溺愛の理由には、真由子さんの誘拐事件が一因と言われています。
しかし津川さんが亡くなる直前、真由子さん(当時44歳)は俳優の友山裕之助(ともやまゆうのすけ)さんと結婚しています。
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