1980年代

名高達男…西尾かおるとの婚約破棄の理由は何だったのか?!




 

テレビドラマ「ザ・ハングマンシリーズ」や「炎立つ」などに出演していた俳優の「名高達男」さん。
タレントの「西尾かおる」さんとの婚約していましたが、1986年に突然、会見で婚約破棄したことを発表し話題となりました。

果たして、その背景には何があったのでしょうか。

名前:名高達男(なだかたつお)
本名:名高達夫(なだかたつお)
別名義:名高達朗、名高達郎
生年月日:1951年2月9日(68歳)
職業:俳優、画家、タレント
所属:プロダクション尾木
出身:京都府京都市伏見区
学歴:金沢工業大学機械工学科




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俳優の名高達男(当時は名高達郎)さん(当時35歳)と、元ミス日本でタレントとして活動していた西尾かおる(当時24歳)さんが、婚約を発表したのは1986年5月28日のことでした。

二人が出会ったのは、この4ヵ月ほど前。
名高さんが帝劇の舞台「恋歌」に出演していた時、西尾さんが知人の紹介で楽屋を訪れたことが馴れ初めです。

それからはトントン拍子に二人は進展しました。
当時は名高さんは西尾さんのことを、

彼女は赤い糸の存在をしみじみと感じさせてくれる女性だ。

とも語っていたのです。

また、同年9月5日には式場である東京目黒区のサレジオ教会(カトリック碑文谷教会)で、仲人の俳優・小林桂樹(こばやしけいじゅ)さん夫妻と共に、挙式リハーサルまで済ませていました。
そうして、後はその日をただ待つばかりだったのです。

しかし、それから2週間後の9月22日の午後9時。
本来ならばファッションデザイナーの芦田淳(あしだじゅん)さんがデザインした英国調の新郎衣装で現れるはずだった帝国ホテルに、名高さんは地味なグレーのスーツで登場しました。

表情は普段と変わらぬ様子でしたが、目は真っ赤に充血していたのです。
幾分か頬もこけているようでした。

名高さんは会見の席に着くと、一度大きく天を見上げるように息をつくと、

本日、私事のためにたくさんの方が来て頂いて、本当に申し訳ございません。内容その他は、僕の方からお答えするのは差し控えたいと思います。5月に西尾かおるさんと婚約するということに至りましたが、一身上の都合で白紙に戻すことになりました。小林桂樹ご夫妻、帝国ホテル、サレジオ教会、東京ますいわ屋(新婦の打掛などを注文していた呉服店)、芦田淳先生、そして、もちろん結婚式に出席して頂ける予定だった皆様には申し訳ありませんでした。ただただ、申し訳ございませんとしか言えません。

と話し、テーブルに手をついて深々と頭を下げたのです。

それからは当然のごとく、リポーター達の質問に答える形となりました。
「今回のことは、どちらから言い出したのですか?」

お答えしかねます。

「白紙に戻した時期は?」

1週間ぐらい前だと思います。話し合いはしました。とにかく、お互い理解してのことです。

「彼女の方が、芸能人としての名高達郎(当時)について来れなかったというようなことは?」

そういうことであれば、それはそれでいいんですが、しかしお答えできません。

「では、一体なぜ?」

申し訳ありませんが、お答えできません。

「(結婚式の)リハーサルの時はまだこんな話が出なかったんですか?」

僕としては、今日の状況になったことに申し訳ないと思っております。深く詮索しないで頂きたい。僕の方から何も言うことはありません。

「婚約後に何らかの行き違いがあったんですか?」

お答えできません…。(彼女と)話し合ったことは事実です。いつ、何をかは一切お答えできません。僕としては、彼女と僕のことがどうのこうのというよりも、後20日足らずで挙式という時にこういう形になったことを深く反省して、残念に思っております。皆さん(報道陣)に問われることよりも、皆さん(関係者及び式列席予定者)に申し訳ない。他のことに関して何も答えることはありません。

会見は時間にして約7分。
ほとんど何も語らないまま、名高さんはマネージャーに促されて席を立とうした際、「最後に一つだけ」と質問が飛びました。

「今、彼女に言いたいことは?」
この質問に名高さんはただ一言、

何も…

と答えて会見場を後にしたのです。

婚約破棄に関して、名高さんはほとんど何も語ることはなかったのですが、西尾さんの母親・洋子さんはこのようなコメントをしていました。

名高さんと娘は危ない状態になってるんですよ。名高さんは、娘をもうこれ以上ないというくらい愛してくださっているんですが、ただ芸能界のしきたりというか…いろいろ難しいようで…

西尾さんの母親の洋子さんがこのようなコメントをしていた直後、二人が婚約解消したというニュースが飛び出したのです。
けれども、実はこの時点は帝国ホテルの披露宴の予約はキャンセルされていませんでした。
それほどの突発的な出来事だったのです。

また、仲人となる予定だった小林桂樹さんは、原因はわからないとしながらも、

ちょっとしたこと…ちょっとしたことは聞いてます。ですが、全部は僕の中で繋がらないんですよ。5、6日前、彼から電話が来まして、「難しくなった」と聞きました。

ハッキリした記憶はないけど、「やっていく自信がない」ということだったと思います。結婚というのは現実的なもので、恋愛期間中とは違うものですからね。これから自分達の青写真ができていくわけですよ。そのまさにできようとしている時に、両者の食い違いが出て来たんじゃないでしょうか。彼は「申し訳ない」と言うだけでした。

彼も苦しんだでしょう。よくは知らないけど、小さな波があって、それがだんだん押し寄せて来たんでしょう。この1日、2日で突然という話ではないと思いますよ。言い出したの?名高くんの方じゃないですか。名高くんの方からです。性格の不一致とか食い違いは誰でもあると思いますよ。いよいよ結婚するとなったら出てきます。今までと違う生活をするんですから。それを乗り越える人と乗り越えられない人がいるもんです。

となどのコメントが出ました。

さらに、一度は仲人として二人の今後を見守る立場に立たされた小林さんは、二人に対して何かアドバイスをと求めると、

決断したのは余程のこと。縁がなかったということです。褒められることでも、自慢できることでもない。ショックはあるだろうけど、ことここに至ったという感じです。全ての準備が終わってからこうなったのは残念ですが、僕からでも二人に代わって謝罪したい気持ちです。

と深々と一礼したのです。

また、2億円挙式と言われる帝国ホテルでの披露宴は、出席者一人当たり4万円ぐらいの予算で見込まれていました。
料理も世界の三大珍味のフォアグラ、トリュフ、キャビアをふんだんに使った豪華なものとなる予定だったのです。

出席予定者は500~600名と言われていましたが、仮に500名として引出物を含めて一人6万円の半額を払えば、それだけで1500万円…
さらに新婦の打掛を注文していた呉服店、新郎の衣装をデザインした芦田淳さんなどの元にも、相当の被害が出たものと予想されました。

さて、名高さんが記者会見した翌日、ダイヤモンドホテルで会見を行う予定だった西尾さんは姿を見せず、勤務先であったIIJ外語学院の我妻敏雄学院長にこのような声明文を託しています。

今回の件について皆様に多大な御迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。今日は記者会見のお約束でございましたが、身体の具合が悪くなり出席できなくなりました。ただ、マスコミ上での誤解がございますので申し上げます。名高さんの過去の女性については一切話題にしたことはございません。<中略>青山の自宅では手料理を作りましたので店屋物など1度もとったことはありません。<中略>これ以上私たちの思い出を汚さないで下さい。<中略>名高さんに対しては、これからもよいお仕事を続けていただきたいと思います。

この声明文は、新聞などの憶測記事に反論したもので、婚約解消の理由には一切触れられていませんでした。
こうして名高さんも西尾さんも、婚約破棄の明確な理由を語ることはなかったのです。

その後、名高さんは1994年に女優・中島ゆたかさんの姪にあたる17歳年下の女性と結婚。
そして、この時の結婚式で、小林さんはようやく名高さんの仲人を務めることができたのでした。




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