1983年6月、東京は新宿の高層ビルで若手スターが飛び降り自殺を図りました。
俳優の「沖雅也」さんです。
このことで、クールでミステリアスな風貌で人気だった沖さんの私生活も白下にさらされたのです。
名前:沖雅也(おきまさや)
本名:日景城児(ひかげじょうじ)
生年月日:1952年6月12日~1983年6月28日(享年31歳)
職業:俳優、歌手
出身:大分県別府市
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1983年6月28日早朝5時前…
最上階47階のホテルの避難用バルコニーのフェンスに若い男がまたがっているのをガードマンが見つけ、「危ない」と大声で制しました。
けれども、それもむなしく男は背中から170メートル下の地上へと飛び降りたのです。
ドーンという音と共に7階のテラスに男の体は叩き付けられ、内臓破裂で即死でした。
彼が泊まっていた36階のツインルームには遺書が残されていたのです。
表にはホテルへのお詫びと共に、哲学的ともいえる人生観がつづられており、その裏には「おやじ、涅槃(ねはん)で待ってる」と一言ありました。
その人物こそ、沖雅也(享年31歳)です。
沖さんは1968年に日活ニューフェイスとして映画デビュー…
その後、1973年の「必殺仕置人」で棺桶の錠役や、1976年に刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のスコッチ刑事役で人気に火がつき、一気にスターダムを駆け上がりました。
もちろん、若手スターの突然の自殺と謎めいた遺書で世間は大騒ぎ…
生前、趣味が盆栽と伝えられていた程度で、沖さんは女性との噂もなく、私生活は謎に包まれていました。
そのため報道が過熟したのは言うまでもありません。
「おやじ」というのは所属プロの社長・日景忠男(ひかげただお)氏(当時46歳)のこと…
マネジメントを行うとともに沖さんと養子縁組している日景氏で15年間同居生活を送っていました。
6月29日に行われた通夜では泣き崩れる日景氏がスポットライトを浴びたのです。
その後、連日ワイドショーは沖さんと日景氏の「関係」についての話題で持ちきりになりました。
日景氏が「私たちの出会いなんてどうでもいいじゃないですか!」と会見で語気を強める姿がテレビで映し出されたのです。
日景氏は翌年「真相・沖雅也」という本を出版しました。
その本や後日、彼がマスコミに語ったところによると、沖さんは中学3年の時、両親の離婚を機に単身上京…
池袋のゲイバーで働いていました。
そこで会った日景氏がスポンサーを買って出たのだと言います。
芸能プロも沖さんを売り出すために作った会社でした。
日景氏は自身がゲイであることは認めていますが、沖さんとの関係については出会いの最初の頃だけ…
沖さんのゲイバー勤めは生活のためのもので、ゲイではなくむしろ女好きで、時に日景氏がホテトル嬢を家に呼んで沖さんにあてがっていたとも言います。
自殺前夜も沖さんはホテルの部屋に2人のホテトル嬢を呼んでいました。
真の自殺の原因はうつ病だったのです。
その2年前にも沖さんは東名高速で車を運転中にガードレールに衝突する事故を起こしていました。
これも実は自殺未遂…
飛び降り自殺はうつ病が回復の兆しを見せ、日景氏が安しかけた時だったのことだったのです。
自殺の原因の中で長年最多とされ続けているのがうつ病…
2010年1月には厚労省も「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」を立ち上げ、対策にやっと乗り出しましたが、当時、沖さんが病から逃れる術はなかったということなのでしょう。
沖さんの墓所は長谷寺(東京都港区)に建立されています。
一方の日景氏は、しばらくの間は実業家として悠々自適に暮らしていましたが、不況の波で会社倒産…
2005年に覚せい剤取締法違反の現行犯で、2008年には暴力団幹部と共謀して恐喝を行った疑いで逮捕されています。
週刊新潮(2016年3月3日号)によれば、2015年2月に亡くなっていたことが明らかになりました。
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