2000年代

久米宏…ニュースステーションを辞めた理由とは?




 

2004年3月26日、18年間続いた「久米宏」さん(当時59歳)の報道番組「ニュースステーション」(テレビ朝日系)が終了しました。

後番組は古舘伊知郎さんの「報道ステーション」が始まり、民放の報道番組の“雄”の交代劇に視聴者の関心が高まったのです。

名前:久米宏(くめひろし)
生年月日:1944年7月14日(74歳)
職業:フリーアナウンサー、タレント、ラジオパーソナリティ、ニュースキャスター
所属:オフィス・トゥー・ワン
出身:埼玉県浦和市(現:さいたま市浦和区)
学歴:早稲田大学政治経済学部



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ニュースステーションが終了する半年前の2003年8月26日も、久米宏さんの番組降板会見が開かれました。

久米さんは「十二分にやった」、「スタミナ切れ」、「2000年1月からの3年契約がすでに終了している」などと降板理由を説明しました。
会見では“自民党からの圧力”といった記者の暴露発言も飛び出しましたが、久米さんは意に介せず、思うままに語ったのです。

しかし、降板についてあれこれ取り沙汰されたのは言うまでもありません。
特に指摘されたのは、ギャラ問題と外部スタッフが関わる番組制作体制でした。

ニュースステーションの放送開始は1985年10月。
それまで「特捜最前線」など人気ドラマが放映されていた平日プライムタイムに報道番組を放送するという日本初の試みでした。

企画は久米さんが所属する番組制作会社オフィス・トゥー・ワンです。
番組はテレ朝とトゥー・ワンの共同制作で、局の顔である報道番組に報道部以外の外部プロが関わる従来の常識を破るものだったのです。

この体制下、テレ朝からトゥー・ワンに支払われる制作費は年間70億円とも言われました。
この中から久米さんへのギャラは破格の年間5億円とも噂されたのです。

テレ朝は当時、アークヒルズへの新社屋移転のため、多額の資金を必要としていました。
そこで制作費が高額なニュースステーションを終了させたかったと書き立てるマスコミもあったのです。

実は久米さんは番組終了の4年前、1999年10月に降板騒動を起こしています。
テレ朝との間で契約更新に合意できなかったとして、久米さんは10月6日の番組内で「私の出演は今日までです」と宣言しました。

翌年1月に復帰するまでの3カ月間は渡辺宜嗣アナが代役を務めましたが、金銭面が取り沙汰されるのは、こういった事情もあったのです。

さらに、いくつかの騒動も一因だと言えるでしょう。
反権力を貫く久米さんの発言は、与党時代の自民党から何度か抗議を受けました。

また、問題になったのは1999年2月の「所沢の葉物野菜から高いダイオキシン濃度が検出された」という発言です。
これは農家から猛烈な抗議を受けて裁判にまで発展し、最後は和解となりました。

1999年時点では久米さんはテレ朝、トゥーワン両者から慰留(いりゅう)され、番組に復帰します。
しかし、降板の駆け引きの中で久米さんのギャラが、さらにアップしたといった臆測も流れました。

そのこともあってか、1999年の騒動の頃からテレ朝は久米さんの後任探しを始めていたのです。
そうして後継番組のメインに古舘さんが決まって久米さんは降板へ…

しかし、常々「辞めたい」と言ってきた久米さんですが、会見で古舘さんの話題が出ると「番組がなくなるのに後任がいるとはどういうことなんだ」と声を荒らげ、名物キャスターの意地を見せつける一幕もありました。

古舘流に形を変えて受け継がれた久米さんの反骨精神ですが、古館さんも2016年3月31日に報道ステーションを降板。
テレビ朝日が“報道の雄”としての枠を維持し続けることができるのかは、後任キャスターの活躍にかかっていると言えるでしょう。




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