「ムツゴロウさん」のあだ名で親しまれる作家の畑正憲さん…
そんな畑さんは、2000年にテレビの特番収録中、思いも寄らぬ出来事に巻き込まれていました。
名前:畑正憲(はたまさのり)
愛称:ムツゴロウさん
生年月日:1935年4月17日
職業:小説家、エッセイスト、ナチュラリスト、動物研究家、プロ雀士
出生地:福岡県福岡市
学歴:東京大学理学部
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5月16日午前、畑さんとフジテレビのクルーは、ブラジルのコティアという町の民間動物保護施設にいました。
7月20日放送予定の「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」のロケを行っていたのです。
そこで畑さんは、サーカスで虐待され、保護されていた雄の4歳のライオンのオリに向かいました…
ライオンが背中の毛を逆立てているかどうかなど、怒りのシグナルを出していないか30分にわたり確認し、いよいよ11時ごろ、オリの金網に手をかけてライオンと向き合ったのです。
ところが、ライオンが金網から出ていた右指にガブリと噛みつきます…
そうして畑さんは、右手中指の第1関節から先の爪の部分が食いちぎられ、失ってしまったのです。
畑さんは後に原因についてこう語っています…
「ライオンは恐らく、ボクまでこの場所から離れてしまうと感じたのでしょう。それで引き留めようとして噛みついたのでしょう」と。
畑さんは声も上げず冷静に左手で右手を押さえ、自ら止血の措置を取りました。
この時、周りのスタッフは誰も異変に気づかず、カメラマンはその一部始終を撮り続けており、結局このシーンはそのまま放送されたのです。
その後、事態が明らかになり、畑さんはブラジルの病院で手当てを受けたものの、番組の取材と収録は何事もなかったように続行しました。
帰国後の会見では「これぐらい私にとって何でもない。噛まれて、動物の習性が学べてうれしい。今回はいい経験になった」と凉しい顔で語り、報道陣を驚かせたのです。
しかし、さすがに痛くはあったようで…
雑誌の対談で「ボクはしょっちゅうケガをしているから、今回も本当はたいした問題じゃなかった。でも、痛みは今回が一番。ヤクザはよく詰めるな、と感心しました」とも語っていました。
畑さんは東大理学部で動物学を学び、動物に関わるエッセイスト、作家として活動…
1971年、北海道厚岸郡の無人島に熊や馬とともに移住し、さらに翌年、浜中町に移り「ムツゴロウ動物王国」を開園します。
ここでの動物との触れ合いや、スタッフの若者たちとの共同生活はマスコミに注目され、1980年から21年間続いたドキュメンタリーシリーズ「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」は人気を集め続けました。
また、畑さんが監督・脚本を手がけた映画「子猫物語」は興収98億円を記録して、邦画史上、十指に入るヒットを記録したのです。
ムツゴロウ王国は一時期、東京都あきる野市のサマーランドに本拠を移転し、一般公開を始めましたが、運営会社の破綻により撤退…
ムツゴロウ王国は北海道に再び戻りました。
畑さん自身は、今も講演活動やテレピ出演など、忙しい日々を送っています。
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