2000年代

クロベエ(チェッカーズ)…舌癌で亡くなった後のメンバーの確執





1983年の発表した「ギザギザハートの子守唄」でデビューして以来、ヒット曲を連発していたポップスバンドと言えば、チェッカーズ(THE CHECKERS)です。

1992年紅白出場を最後に解散した後、元メンバーはそれぞれの道に進みました。
しかし2004年8月、ドラムス担当のクロベエこと、徳永善也さんが舌がんにより亡くなってしまいます。
この訃報は世間を驚かせると同時に、チェッカーズの確執も露呈することにもなりました。

名前:徳永善也(とくながよしや)
生年月日:1964年6月7日~2004年8月17日(享年40歳)
職業:ミュージシャン、ドラマー
出身:福岡県久留米市
学歴:筑紫工業高等学校(現・筑紫台高等学校)




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愛称の「クロベエ」とは、彼が小学生時代に黒いジャンパーを着ていたことに由来しています。
また、チェッカーズに加入した理由に、メンバーから車に連れ込まれ「山に埋める」と脅されたという経緯を持っていたクロベエさん…
チェッカーズ時代のステージやバラエティ番組では、ひょうきんなキャラクターとして人気者でした。

けれどもチェッカーズが1992年に解散…
メンバーはそれぞれ音楽活動を中心に芸能界で活動し始めました。

クロベエさんも1993年に「リトルバッハ」というバンドを結成し、リハーサルを重ねて1995年2月、フジテレビの昼ドラマ「指輪」の主題歌である「眠れぬ美女」でデビューを果たしています。

しかし、ライブ動員やCD売り上げ共に思うように伸びず、リトルバッハはわずか3年で解散…
元メンバーとの仕事もうまくいかず、「オレ、芸能界に向いてないや、スティック下ろすわ」と芸能活動を休止してのでした。

その後クロベエさんはしばらく消息不明となり、ネットの掲示板などでは「ファンの前に姿を見せてください」、「あなたはどこで何をしているんですか?」というような書き込みが続いたのです。
ファンの間では「広島で電器屋をやっている」、「実家で犬の散歩をしているところを目撃した」などのウワサも流れました。

実はその頃のクロベエさんはトラック運転手として生計を立てていました。
「食べるために何か仕事をしなくちゃならない」と言うクロベエさんに対して、元メンバーの鶴久政治さんは「トラックの運転手がいいんじゃない?」と勧めたといいます。

募集広告を見て運送会社の正社員として採用され、元チェッカーズということを冷やかす同僚もいる中、お菓子の配達などで働いていました。
当時は「大型免許を取得して自分のトラックを持ちたい」とも語るほど、芸能界から離れた生活だったと言います。

しかしその後、徐々に芸能活動を再開するようになります。
2002年ごろからバンド「WILD-G」に所属し、さらに元メンバーの武内享さん、大土井裕二さん、藤井尚之さんらのバンド「アブラーズ」にも参加し、本格復帰に向け準備を進めていました。

そんな時期の2003年8月に舌がんが判明します。
以降、クロベエさんは入退院を繰り返すようになりました。

それでもクロベエさんは病を押してステージに立っていたのです。
ライブハウスの関係者は「最近はちょっと痩せたかなあ」と思ったとか…
病室では母親に「ぽく、舌溶けてるから」と冗談も言ったりもしていました。

2004年7月にはアブラーズのライプに病室から駆けつけましたが、演奏に参加したのは1曲だけ…
これが最後のステージとなり、2004年8月17日、安らかに息を引き取ったのです。

ただ、この時、最期を看取ったのは藤井フミヤさんとアブラーズの3人だけでした。
鶴久さんと高杢禎彦さんは病室に入れなかったと言います。

というのも、高杢は2003年6月に出版した「チェッカーズ」で、解散の経緯などを暴露していました。
そのため、鶴久さんと高杢さんは9月13日に行われた送る会の発起人からも外され、一般参加となり、マスコミも以前にも囁かれた「遺恨の再燃か」とメンバー間の確執を報じる騒ぎになったのです。

ファンはクロベエさんの死を悲しみましたが、メンバーにとっては後味の悪さも残るお別れともなったのです。
享年40歳で生涯独身でした。




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