1970年代

唐十郎…「紅テント」→「実弾発射」を経た現在は?




 

2012年4月より明治大学客員教授に就任しているのが劇作家の鬼才「唐十郎」さんです。

唐さんは、銃砲刀所持の疑いで逮捕された過去がありますが、実はそれ以前にも逮捕されているのです。
ここでは事件の詳細と現在の唐さんについてみていきたいと思います。

名前:唐十郎(からじゅうろう)
本名:大靏義英(おおつるよしひで)
生年月日:1940年2月11日(79歳)
職業:劇作家、作家、演出家、俳優
所属劇団:唐組(1988年〜)
出生地:東京府東京市
学歴:明治大学文学部演劇学科
備考:大鶴日出栄(父親)・大鶴義丹(長男)・大鶴美仁音(長女)・大鶴佐助(次男)



Sponsored Links
 

1976年4月14日、毎日新聞の社会面に「ロケで実弾発射 唐十郎ら外国製短銃使って」という見出しが出ました。
内容は4月12日午後4時すぎ、唐氏(当時36歳)が監督を務める映画「任俠外伝・玄海灘」の撮影で本物の拳銃が使われたというものでした。

本番前に唐さんが1発…
主演した安藤昇さん(当時49歳)が3発、ポリバケツやカモメを標的に試し撃ちしたのです。

本番では、真鶴半島沖で安藤さんが海に映る満月に向かって実弾2発を撃ちました。

この理由に関して、記事が出た14日にサンデー毎日で作家の森敦さんとの対談が行われ、唐さんは「弾着でやるとかの方法はあるんですけど、それだとどうも力が出ない。そこで拳銃を使った。」と語っています。

ここでいう”弹着”とは火薬などを使って弾が当たったように演出することを意味します。
何回かテストを繰り返したものの、迫力が出なかったために本物を使うことにしたのだといいます。

報道によって事実を知った神奈川県警は15日唐さんと安藤さんを銃砲刀所持の疑いで逮捕…

しかし唐氏は逮捕を覚悟していたというより、織り込み済みで、それ自体が映画の宣伝になると計算していたようなのです。
映画「任俠外伝・玄海灘」は唐さんにとって初監督作品であり、入れ込みようは尋常ではなかったそうです。

15日夜から唐さんと安藤さんは小田原署の別々の雑居房に入れられ、26日夕方に処分保留のまま釈放されるまで留置されることになりました。
けれども、そこでタダでは起きないのがアングラ演劇界の旗手たるゆえん…

わずか12日の間に唐さんは雑居房で一緒になった6人にそれぞれの半生をじっくり語らせたといいます。

73歳の宝石ドロからはその手口を、たばこ3カートンを盗んで捕まった元板前からは盗品市場でいくらで売れるかまで事細かに聞き出していました。

唐さんは彼らの話を今後の芝居に役立てるとうそぶいたのです。
なお1977年6月、拳銃事件に対し、横浜地裁小田原支部は唐に罰金15万円の判決を下しています。

そもそも唐さんは逮捕されることについてなんとも思っていなかったようです…
なぜなら過去にもっとすごい逮捕を経ていたからです。

1969年1月、唐さんは東京都の中止命令を無視して新宿西口の中央公園で状況劇場(腰巻お仙・振袖火事の巻)の公演を強行しました。
200人の機動隊に取り囲まれながら芝居を続け、終了後に都市公園法違反で現行犯逮捕されたのです。

20分足らずで紅テントを設営し、機動隊が駆け付けた時は上演が始まっていました。

中に観客がいっぱいいるため機動隊も手を出せず、3時間の芝居を最後までやり遂げることに成功し、唐さんは喝采を浴びました。
これが世に知られる「新宿西口公園事件」です。

そんな過去を持つ唐さんですから、ロケで実弾発射による逮捕をそれほど怖がってはいなかったのでしょう。

一方で唐さんの初監督作品「玄海灘」は5月末に公開されましたが、話題の割にはヒットしませんでした…
各紙の映画批評欄で「冗漫すぎる」、「わかりにくい」と書かれ、評判がイマイチだったからです。

中には「寺山修司に完敗」と酷評したところもありました。
アングラ界のライバル、寺山さんが撮った「田園に死す」(1974年公開)は各方面から高評価を得ていたからです。

最近では2012年4月より、母校である明治大学文学部の客員教授に就任…
同年5月に脳挫傷の大ケガを負い、リハビリと脳外科の専門医によるトレーニングをへて2015年には6年振りとなる新刊@ダイバダッタ」を上梓(じょうし)しています。




Sponsored Links
 



ピックアップ記事

  1. 牧瀬里穂…旦那・NIGOとの馴れ初めから結婚まで
  2. 池谷幸雄…離婚理由は「吉元潤子アナウンサー」?!
  3. 千昌夫…不動産王から借金王の異名をとる?!
  4. 麻倉未稀…ヘアヌード写真集を出したきっかけとは?
  5. ソルティーシュガー…池田謙吉と「走れコウタロー」の誕生秘話

関連記事

  1. 1970年代

    欧陽菲菲…夫・式場壮吉との馴れ初めと結婚を振り返る

    片言の日本語が人気で「雨の御堂筋」、「ラヴ・イズ・オーヴァー」を大ヒッ…

  2. 1970年代

    中条きよし…隠し子騒動に「うそ」は言えない?!

    端正な顔立ちで女性に絶大な人気を誇って…

  3. 1970年代

    玉元光男…妻の牧野由美子との馴れ初めから結婚まで

    沖縄のテレビ番組のコンテストで優勝した…

  4. 1970年代

    手塚治虫…ブラックジャック実写版にキレた?!

    「漫画の神様」と評されていた漫画家「手…

  5. 1970年代

    岡田奈々に起きた監禁事件の真相とは?!

    本名は矢井弘子さん…近年では清純派を脱皮する演技力を見せているのが…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Sponsored Links
Sponsored Links

最近の記事

  1. 山本譲二…妻の植木悦子との馴れ初めとは?!
  2. 松田聖子…デビュー5年目でも収入はとんでもなかった?!
  3. 牛島和彦…妻の光江との馴れ初めから結婚まで
  4. 八千草薫…メニエール病という病気を患ったことがある?!
  5. 具志堅用高…妻・香澄との馴れ初めから結婚まで
  6. 森繁和…妻・靖子との馴れ初めはファンレターだった?!
  7. 久米宏 …愛人が自殺未遂をして謹慎処分になったことがある?!…
  8. 倉田保昭…クラタスポーツ・スタジオを全国展開しようとしていた…
  9. ジャッキー佐藤とナンシー久美…ジャパン女子プロレスリング設立…
  10. 都はるみ…引退の理由は中村一好が関係していたのか?!
Sponsored Links

おすすめの記事

Sponsored Links

注目記事

Sponsored Links
  1. 1970年代

    ディックミネ…則子(4人目の妻)との馴れ初めと結婚
  2. 2000年代

    内藤裕子アナウンサー…現在は事故・NHKを退局を経て「カレー大学院」?!
  3. 1980年代

    石橋凌と原田美枝子…結婚や馴れ初めについて振り返る
  4. 1970年代

    加賀まりこ…子供の死因は「前置胎盤」だった?!
  5. 1970年代

    岡崎友紀…盛田英夫(盛田昭夫の長男)と強行結婚するも2年で破局?!
PAGE TOP