1997年9月22日、読売新聞朝刊に掲載された全面広告に衝撃が走りました。
ロックのカリスマグループだった「X JAPAN」が突然解散を発表したからです。
記者会見では解散の理由を「音楽性、方向性の違い」としていましたが、本当の理由は全く違うものでした。
グループ名:X JAPAN(エックス・ジャパン)
メンバー:
YOSHIKI(ドラムス・ピアノ)
Toshl(ボーカル)
PATA(ギター)
HEATH(ベース)
SUGIZO(ギター・ヴァイオリン)
HIDE(ギター・故)
TAIJI(ベース・故)
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この日の午後には緊急記者会見が開かれ、リーダーのYOSHIKIさんは解散の理由を「音楽性、方向性の違い」と説明しました。
しかし、そんなありふれた理由だけが原因でないことは、容易に想像できました。
最大の原因はYOSHIKIさんとともに、中心メンバーとしてバンドを牽引してきたポーカルのTOSHIさん(現在はTOSHIからToshlに改名)との”確執”…
実際、この日の会見場にTOSHIさんの姿はありませんでした。
会見では、すでに同年4月にグループを極秘脱退していたことが明らかにされたのです。
しかも、翌日になるとTOSHIさんサイドが
解散会見があることはまったく知らされていなかった、できることなら続けたかった
と主張…
これに、YOSHIKIさんの親族が、
本当は会見でTOSHIのコメントを読み上げることになっていたけど、それがなぜか中止になった。だからTOSHIは当然、会見をやることは知っていた
と再反論するなど、解散を巡るドタバタは泥仕合の様相を呈したのです。
その後のマスコミ報道によって浮かび上がってきたのは、YOSHIKIさんの”暴君”ぶりと…
TOSHIさんが抱えていた”ある問題”でした。
YOSHIKIさんとTOSHIさんは中学時代からの幼馴染みですが、バンド内での立場は大きく異なっていました。
YOSHIKIさんは作詞作曲、プロデュースなどの音楽面に加えてプロモーションから、版権管理といったビジネス面全般にわたって実権を握っていたのです。
さらに、続々と現れたXのフォロワーたちをまとめ上げ、「ビジュアル系のドン」と呼ばれるほどの存在となっていました。
一方のTOSHIさんはソロ活動としてロックオペラ公演(ハムレット)などを行い、そこで出会った女優の守純かほりさん(現在は守谷香)と結婚するなど順調に見えました。
しかし、1994年には事務所関係者の横領疑惑や借金問題が浮上するなど、トラブルが頻発していたのです。
こうしたトラブルの背景には、TOSHIさんがハマっていた「宗教団体」との関係がありました。
TOSHIさんは妻の影響もあり、自己啓発セミナー「ホームオブハート」を主宰するMASAYAなる人物に心酔…
ソロ活動では、攻撃的なXのイメージとは正反対の「エコ」、「スピリチュアル」、「ヒーリング・癒やし」といった主張を口にするようになっていたのです。
後にTOSHIさんはセミナー主宰者とは袂を分かち、妻とも泥沼の離婚訴訟を繰り広げること(2010年2月2日に離婚成立)になりましたが、当時はバンドのイメージを守るためにも、解散の原因がTOSHIさんの「カルト志向」にあったとは口が裂けても言えなかったのです。
大晦日に東京ドームで解散コンサートが開かれましたが、2人が和解してバンドが再結成されるには2007年まで待たねばなりませんでした。
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