1980年代

ダン池田…暴露本を出した経緯とその後の人生について




 

芸能界を振り返ると、清水富美加(千眼美子)さんの「全部、言っちゃうね。」や奥菜恵さんの「紅い棘」…
萩原健一さんの「ショーケン」に郷ひろみさんの「ダディ」などなど、かつて物議を醸した暴露本はたくさんあります。

中でも1985年に出版された「ダン池田」さんの「芸能界本日モ反省ノ色ナシ」も大騒ぎになった一冊と言えるでしょう。

名前:ダン池田(だんいけだ)
本名:池田啓助
生年月日:1935年4月11日~2007年12月25日(享年72歳)
職業:バンドマスター・ラテンパーカッション奏者・指揮者・タレント
出生地:旧朝鮮京城(現ソウル) ※日本北海道留萌市育ち
学歴:中央大学経済学部(中退)



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著者のダン池田さん(当時50歳)と言えば、有名バンド「ニューブリード」の指揮、「夜のヒットスタジオ」や「NHK紅白歌合戦」を担当したこともある人気バンマス(バンドマスターの略)でした。

そんな芸能界を知り尽くしたダン池田さんが日記の体裁で、実名を挙げて告発…
前書きからして「屈辱、侮辱、恥辱にまみれたバンドマスター、怒りと復讐の日記!」と挑発的なものだったのです。
そのため本の出版そのものがスキャンダルになったことは言うまでもありません。

たとえば「歌謡大賞・新人賞」授賞式の項目では受賞したTについて、「驚いた。俺だけじゃないバンドのメンバーみんなが驚いて、口をポカーンとあけたまま、慌ててメロフ(メロディー譜面)を探した」と(受賞が)事務所の力以外にないと批判じたり…
アメリカの大手レコード会社とSの専属契約を報じた件は「事務所が新聞社に金やコネを使って書いてもらった提灯記事」と切り捨てたのです。

さらに「ヒット典もないのに、よく番組に出てくる歌手がいたら必ずおかしいと思った方がいい。男だったら金、女だったら間違いなくデキてる。揚げ句にディレクターから大切にしてくれよ!」なんて”使用済み”の歌手を押しつけられるバンドマンも哀れ」などとも…
こうした刺激的な内容が受け、本は50万部超のベストセラーになり、ダン池田さんは鼻息も荒く「クレームでも裁判でも受けて立つ」と気炎を上げていたのでです。

当然、書かれた方はたまったものではありません…
タレント側が表向きは相手にしないという態度を取ったため、裁判にこそなりませんでしたが、「ヒットスタジオ」のフジテレビは内々に”詫び状”を要求していました。
しかし、強気のダン池田さんはこれを拒否して同じフジの「家族対抗歌合戦」で降板したのです。

さて、そもそも大物だったダン池田さんなら、こうなることは容易に予想できたはずなのに、なぜバンマス人生を捨ててまで暴露本を出版する気になったのか?

彼は「モラルの低下した芸能界、私物化が進むテレビ界の将来を憂慮している俺の”繰り言”」によって、愛のムチ・天誅を下すというのが表向きの理由だったのですが、黒子的存在のバンドマンの不満も鬱積(うっせき)していたのではないかと言われています。

実際、テレビの主流は歌謡曲からニューミュージックやロックへ移りつつあり、生演奏のフルバンドがお荷物扱いされる場面もありました。

そうして当座は”話題の人”としてワイドショーや講演に引っ張りダコだったダン池田さんでしたがこれも長くは続かず…
存在を忘れられないうちにと、翌年第2弾を出版しましたが、新鮮味を欠いたことであまり売れなかったのです。

そこで1600万円以上をかけ、一発逆転を狙ったのが新人歌手「兄弟鳥」のデビュー…
これは失敗に終わり、2冊で2130万円あった印税はアッという間に消えてしまいました。

その後のダン池田さんは?と言うと、1997年当時には「ダン池田の店」でマスターを務めながら生計を立てていましたが、2007年に急性呼吸不全のため、亡くなっています。

享年72歳…
「故人の遺志で静かに眠らせてあげたかった」との遺族の意向から、訃報はダン池田さんが亡くなってから約2カ月後の2008年2月21日に公表されました。




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