1960年代

八千草薫…結婚式で語られた夫・谷口千吉の言葉の意味とは?




 

1957年7月、映画監督の谷口千吉さんと、女優の「八千草薫」さんの結婚式が開かれました。
式を終え、会見に臨んだ新郎の谷口監督は、記者に「新婦に何をしてあげたいですか?」と聞かれ、「今度は終わりを全うしたいってことかな」と答えました。

名前:八千草薫(やちぐさかおる)
本名:谷口瞳(たにぐちひとみ)
生年月日:1931年1月6日(88歳)
職業:女優
所属:柊企画
出身:大阪府
学歴:プール女学院



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1957年7月21日、丸の内の東京会館で、谷口千吉監督と八千草薫さんの結婚式が開かれていました。
谷口監督にとっては3度目の結婚…
先ほどの発言は、今度こそ最後まで添い遂げたいと決意表明だったのです。

当時、26歳の八千草さんは“お嫁さんにしたい有名人”アンケートでトップに選ばれていました。
一方や谷口監督は、八千草さんより19歳も年上の45歳です。
人気絶頂の女優が親子ほども違う相手と結ばれたことに世間は驚いたのです。

馴れ初めは、谷口監督がメガホンを取る映画「乱菊物語」(1956年)に、宝塚歌劇団に在籍していた八千草さんが主演したのがきっかけでした。
口が悪いことで知られていた谷口監督は八千草さんに対しても厳しかったのです。
助監督の岡本喜八さんが「あんなに叱ったら宝塚に帰ってしまう…」と心配したほどでした。

しかし、思ったことをズバズバ言う男性が八千草さんにとっては新鮮でした。
2歳の時、肺結核で亡くした父の面影を見ていたのかもしれません。
八千草さんは次第に谷口監督に惹かれていったのです。

ただ、この時点では淡い恋心に過ぎませんでした。
まだ、谷口監督には2番目の妻である女優の若山セツ子さんがいたからです。

しかし、映画のクランクアップから程なくして谷口監督は離婚…
どちらからともなく、2人の交際が始まりました。

けれども女手ひとつで八千草さんを育てた母親はこの交際に猛反対…
それを知った谷口監督は、八千草さんに「いつまでもこんなことをしていてはいけない。付き合いをやめよう」と手紙を送ったのです。
しかし、これが逆に八千草さんの想いに火をつけることになりました。

八千草さんは「手紙で別れを言うのは失礼だ」と電話し、帝国ホテルのロビーで会う約束をしました。
けれども、いくら待っても谷口監督は来なかったのです。
谷口監督はヨリが戻るのを恐れたからでした。

八千草さんは女優とは思えない地味な格好でいつまでも待ち続けました。
それをロビーの陰から見ていた谷口監督は切ない気持ちになり、八千草さんの前に姿を現したのです。
待ち始めてから2時間以上が経っていました。

2人は無言のままタクシーに乗り、横浜に行ってラーメンを食べました。
2人にはすでに別れる選択肢はなくなっていたのです。

新婚旅行は結婚式から5カ月後の1957年12月。
谷口監督の趣味は山登りで、八千草さんは12キロ以上もあるリュックを担いで冬の北アルプスに登りました。
それからもエベレストをはじめ、国内外の山々に挑戦したのです。

2人が一緒に仕事をしたのは、たった2回。
先述した「乱菊物語」と、1975年にタンザニアで撮影した記録映画「アサンテ サーナ」(1975年)でした。
八千草さんは度々の登山ですっかりたくましくなっていて、アフリカロケでも体調を崩すことは1度もなかったのです。

ただ、2人の間に子供はできませんでした。
これは谷口監督が若い頃にマラリアにかかったのが原因で、代わりに愛犬を飼い、2人で可愛がったのです。

谷口監督は2007年10月、95歳でこの世を去りました。
八千草さんとの結婚生活はちょうど半世紀…
会見で宣言したように、3度目の結婚は全うすることができたのでした。




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