1980年代

宮川大助・花子…闘病の日々を乗り越えて




 

夫婦漫才の大御所といえば、漫才師の「宮川大助・花子」さんではないでしょうか。
コンビ結成直後の1976年4月に結婚し、それから芸歴・結婚歴40年を超える大ベテランです。

そんな二人の長い活動の中で、夫婦それぞれが重い病に倒れる試練がありました。

コンビ名:宮川大助・花子(みやがわだいすけ・はなこ)
メンバー:宮川大助(1950年10月3日・69歳)、本名:松下孝美(まつしたたかみ)
宮川花子(1955年8月28日・64歳)、本名:松下美智代(まつしたみちよ)
職業:漫才コンビ
所属:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
結成年:1979年(吉本専属となった1979年11月を公式の結成年月としている)
在住:奈良県生駒市



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1988年10月末、宮川大助さん(当時38歳)の体調が悪かったのを心配したマネジャーが、病院に健康診断に連れていきました。

宮川花子さん(当時33歳)は付き添いのつもりでついて行ったのですが、「ついでに検査を受けていきませんか?」と医師に言われ、バリウムを飲んで検査を受けたところ、胃にピンポン玉大の腫瘍が見つかったのです。
胃癌(いがん)でした。

医者は大助さんに診察結果を告げます。
このとき大助さんは「しまった」と思わず叫んだと言います。

それまで10年近く多忙な漫才師として売れっ子の生活をしていました。
妻に無理をさせていなかったかと大助さんは自分を責めたのです。

大助さんと医師は「手術で取らなければならないポリープがある」とだけ告げることにしました。

ちょうど11月は年末年始番組の撮影ラッシュ。
まとめて収録を済ませましたが、告知されていない花子さんは「ポリープなら正月明けに手術すればいいのに」といぶかったといいます。

花子さんが入院したのは11月21日。
手術は翌週の28日でした。

花子さんはラジオの収録を休めないという大助さんに「目が覚めたらあなたにそばにいて欲しい」とファクスを送っていました。

こうして手術は成功。
目が覚めるとベッドの傍ら大助さんが見守っていたといいます。
病理検査の結果も良好で「99パーセント転移の可能性なし」と診断されました。

しかし、手術は辛かったといいます。
花子さんは後に「痛い思い出しかない」と語っていました。
花子さんは1カ月間は入院し、その後、2カ目の寮養生活を経て復帰しています。

しかし、ここで夫婦の間に危機が訪れます。
うすうす病気に勘づいた花子さんはヤケっぱちな気分になり、夜遅くまで飲み歩くこともしばしば…

この時の気持ちを花子さんは「生きてるうちに、やりたいことやったるってなってしまった」と語っています。

注意をする大助さんとの喧嘩が絶えなくなりました。
つかみ合いの喧嘩は日常茶飯事…
家の中は荒れに荒れたのです。

ついには花子さんが離婚届を突きつけるところまで行ったのですが、長女(漫才コンピ「さゆみ・ひかり」の宮川さゆみ)の涙を見た二人は我に返り、夫婦関係を修復しました。

そして手術から5年経過後の1993年、定期検査で転移は確認されず、「これでもう再発の可能性はない」と花子さんには正式な病名が告げられました。
マスコミに癌(がん)だったことが正式に明かされたのは翌年2月になりました。

2007年2月、今度は大助さんに危機が訪れます。
大助さんは突然「頭の線がぶちっと切れた」ような感覚に襲われ、その次の瞬間に体がしびれ始めたのです。

病院に行くと脳出血との診断され、症状はどんどん悪化しました。
「今晩がヤマ」との医師の話を聞いた花子さんは、長女のさゆみさんに「棺桶を2つ用意して」と言います。
大助さんが死んだら本気で後追い心中をするつもりだったそうです。

幸い翌日、大助さんの意識が戻り、夫婦の二人三脚でのリハビリの末、同年5月24日には舞台復帰を遂げました。

復帰後、大助さんは「病気のおかげで嫁さんに惚れ直し、新婚時代のような気分に戻れた」と語っています。
2017年には二人そろって紫綬褒章を受章し、ますます円熟の極みにある夫婦漫才を見せてくれています。




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