1965年に「君が好き」でデビューし、その後は「北国の春」や「津軽平野」などがヒットした演歌歌手の「千昌夫」さん。
また、千さんは演歌歌手の他にも実業家としての顔を持ち、「歌う不動産王」や「ホテル王」と呼ばれるほど、世界各地にマンションやビルなどを所有していました。
中でも今回は千さん(当時40歳)が香港のホテルを40億円でまるごと買収した時のお話です。
名前:千昌夫(せんまさお)
本名:阿部 健太郎(あべ けんたろう)
生年月日:1947年4月8日(72歳)
職業:演歌歌手、実業家
出身:岩手県の旗岩手県陸前高田市
学歴:水沢第一高等学校(中退)
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歌手で実業家の千昌夫さんが香港のホテルを買収すると話題になったのは1987年のことでした。
この二ュースは、香港の経済新聞「信報」が1987年4月24日付で報道したもので、千さんが購人したホテルは目下、香港のサウスイースト・インベストメント・エージェンシーと、セーフティー・ゴーダウン(安全貸倉)という二つの会社が、6月の完成を目指して、湾仔(わんし)地区に建設を急いでいるというものだったのです。
完成の暁には、香港の有名内ホテルであるラマダホテルチェーンの一つとして発足することが決まっており、すでにホテルの管理にあたるラマダ・インターナショナルと、千さんの会社であるアべ・インターナショナル・ベンチャー・コーポレーションとの契約も終わっていると報じられました。
ホテルの建っている湾仔(わんし)地区は、言うなれば香港の新宿といったような場所で、歌舞伎町のような歓楽街がある他、当時は三越や大丸などの日本のデパートも進出して来ていたこともあり、ショッピング街としての顔も持っていたのです。
この時、千さんが買ったホテルは、部屋数が約300室。
香港では中ぐらいの規模のホテルでした。
購入額は当時の価格で40億円(2億2000万香港ドル)。
この時は香港で円高が影響しており、以前よりも安くで大きな買い物が出来るようになっていました。
地元の経済紙などでも、こうした状況を反映してか、「日本の企業が香港のどこそこのホテルを買収しそうだ」という予測記事が、毎日のように掲載されていたのです。
そうした潮流の中で、「歌う不動産」の異名を持ち、投資に積極的な千さんが見逃すはずはありません。
千さんはこの他にもサイパンなどにもホテルを持っているという噂もあり、以前から妻のジョーン・シェパード(当時)と共に観光事業に関心を抱いていました。
この時のホテル購入もことのほか熱心で、関係者の話によると、1987年の春先から日本と香港の間を頻繁に往復していたと言います。
また、新聞で香港のホテル買収を報じられた千さんは、4月25日に香港から帰国すると、その足でホテル・ニューオータニで開かれている光彩苑という着物メーカーで主催するパーティーに出席し、ショーを行っていました。
しかし、ホテルを買ったことに関しては、ノーコメント。
香港の新聞は千さんのプロフィールをこのように紹介していました。
日本芸能界目下最高裕的男性歌手
文字通り、日本で今、最も裕福な男性歌手だったのです。
しかし、この4年後の1991年に起きたバブル崩壊で借金が膨れあがり、2000年2月4日にアべ・インターナショナル・ベンチャー・コーポレーションは経営破綻。
最盛期には3000億円を超える借金を抱えるまでになりました。
香港ホテルの買収は絶好調だった時代の千さんのちょっとしたお買い物だったのです。
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