1990年代

桂枝雀…天才落語家の自殺の原因はなんだったのか?!





皆から「天才落語家」と呼ばれた落語家の一人「(二代目)桂枝雀」さん。
朝の連ドラや映画に出演するなど俳優としても人気を集めていましたが、異変が起きたのは春先のことでした。

名前:二代目・桂枝雀(かつらしじゃく)
本名:前田達(まえだとおる)
生年月日:1939年8月13日~1999年4月19日(享年59歳)
職業:落語家
出身:兵庫県神戸市
学歴:神戸大学文学部(中退)




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1999年3月13日夜9時ごろ、大阪・吹田市の桂枝雀さんの自宅で3階廊下の手すりにつないだ紐を首にかけ、うずくまっているのを枝雀さんの家の人が発見しました。

すぐに紐はほどかれ、市内の病院に搬送されましたが、枝雀さんは予断を許さない状態…
息はまだありましたが、当初このことは箝口令(かんこうれい)が敷かれ、一般には伏せられたのです。

枝雀さんはその後も脳の腫れは引かず、18日に集中治療室から一般病棟に移されました。
そして、さすがに周辺のざわつきが伝わり、自殺未遂から11日後の3月24日に世間に知れ渡るところとなったのです。

脳にダメージを負って植物状態が続いていた枝雀さんの容体が急変したのは4月19日…
マスコミが一斉に報じましたが、死因は心不全でした。

百面相のような豊かな表情とオーバーアクション、「すびばせんねえ」などの独特の癖のあるギャグで「上方落語の爆笑王」と呼ばれた枝雀さんのなんと痛ましい最後だったのです。

枝雀さんは素顔は生真面目で理論派だでした。
持論は「落語は緊張と緩和のバランス」…
呻吟(しんぎん)しながら常に新しい手法を模索し続けていたのです。

客が手を叩き大笑いしても「本当に心の底から笑ってもらえているのだろうか。まだ何か足りないのではないか…」と沈み込んで悩むストイックな人でした。

中学3年の時に父親を亡くし、工員や学校の給仕の仕事をしながら定時制高校にトップ合格…
働きながら神戸大学に現役合格しました。

しかし、神戸大学には1年通っただけで中退し、今度は桂米朝さんに弟子入り…
10代目桂小米という名で落語家デビューしたのです。

当時は晩年のスタイルとは違うクラシックで上品な語りが特徴でしたが、「うまいが暗い」といわれて悩んだ後に家庭を持ったことへのプレッシャーもあり、30代半ば、1973年に重度のうつ病と診断され、仕事を3カ月ほど休んだこともありました。

だが、その年、2代目桂枝雀を襲名し、スタイルを大きく変更…
派手な高座は評判を呼び、このころから人気もうなぎ上りになっていきました。

この時には薬を飲むこともあったようですが、枝雀さんのうつも治まっていったようにみえたのです。
ところが、病気は一気に進んでいました。

1997年ごろのこと、ヒロインの師匠の「将棋の名人」という重要な役で出演したNHKの朝ドラ 「ふたりっ子」で「セリフを間違えて共演者に迷惑をかけているのではないか…」という妄想に取りつかれ、再び症状が強まったのです。
高座で「自分の落語がわからなくなってきた」と泣くこともあったといいます。

爆笑王として客を大笑いさせながら、人一倍芸に悩み、自ら高座の枕で病気をネタにもしました。
「うつ病がひどい時は、ご飯を食べるととがった米粒の先が胃に突き刺さると思った」と語ったこともあったほどです。

天才ゆえの悩みを抱えながらの59歳での死…
うつ病特有の症例や傾向に当てはまる状況だったとは言われていますが、遺書やそれらしい発言は全くなく、真の動機は謎のままでした。

枝雀さんの突然すぎる死に対し、師匠の米朝さんや弟子の南光さんらが悲しみ、この事件はマスコミも大きく取り上げられました。
また、2016年1月に長男の前田一知さんが、桂りょうばとして初高座に上がっています。




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