2000年代

吉田えり…「愚行」とされる理由は何だったのか?!




 

“ナックル姫”の愛称でも知られる女子野球選手「吉田えり」選手。
彼女の名前を検索すると「吉田えり 愚行」というキーワードが出て来ることがあります。

文字通りの意味を取れば、吉田選手が愚行(ぐこう)…
つまり、愚かな行為や馬鹿げた行いをしたということになるのですが、これは一体何を指しているのでしょうか?

名前:吉田えり(よしだえり)
愛称:ナックル姫
生年月日:1992年1月17日(27歳)
職業:女子野球選手(投手)
出身:神奈川県横浜市
学歴:神奈川県立川崎北高等学校




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さて、この理由を調べてみると、吉田えり選手が特に何か愚かな行為をしたリ、馬鹿げた行いをしたという話題はありませんでした。
今はほんの少しの軽はずみな発言で炎上やネットニュースの載せられてしまうような時代です。

もし、吉田選手が何か愚行と言われるような発言や行動を取っていればすぐに見つかるはずですが、特にそのようなものはありませんでした。
ただ、唯一見つかったのが、「男性チームでのプレーにこだわる姿に、ネット上では愚行との声もあがった」というものでした。

つまり、女性が男性チームでプレーすることは無謀な挑戦で、それが愚行だとされているのです。
「女性なんだから女性のチームでプレーすれば良いのではないか?」という意見もありました。

確かに吉田選手は言うまでもなく女性野球選手です。
しかし、2つ上の兄や父親の影響で小学2年生から中学生までは男子と同じチームで練習していました。

高校時代はケガや体力差もあり、硬式野球部はすぐ退部してしまうのですが、それでも投手としてナックルポールを習得すれば男性と同じ土俵で野球を続けられるのではないかと自宅で特訓していたのです。

そのため高校時代は社会人野球クラブチームの千葉熱血MAKING(ちばねっけつメイキング)、西多摩倶楽部に所属していました。
その後も一時は女子のチームに所属していましたが、2008年11月に関西独立リーグの合同トライアウトに合格し、ドラフト会議で神戸9クルーズから7巡目で指名を受け、同年12月2日に正式契約しています。
この瞬間、吉田選手は日本で初の「男性と同一チームでプレーする女性プロ野球選手」ともなりました。

ただ、その後は投手としては良い成績を残すことができず、渡米後も8試合に登板しましたが、0勝4敗で防伽率は12.27と目立った活躍を見せることができませんでした。
しかし、それからも男性チームでプレーすることに挑戦し続けた吉田選手は、関西独立リーグ初の女性勝利投手や、BCリーグ史上初の女性選手の勝利投手となったのです。

最近では2017年11月に、栃木県小山市を拠点に新たに設立するエイジェックの女子硬式野球チームの選手兼チームディレクター(監督)就任を発表されました。

こうして吉田選手のこれまでの野球人生を振り返ると、確かに女性でありながら男性のチームでプレーしたことが愚行のように見えなくもないのですが、むしろ男女の壁を超えてひたむきに野球に挑戦したことの方が評価されるのではないでしょうか。

これは、これまで体の小さな日本人がNBAでプレーすることは難しいと考えられていた時代に、日本人初のNBAプレーヤーとして田臥勇太選手が現れた時に似ているような気がします。
田臥選手のおかげで日本人でもNBAでプレーできるという実績や道筋が生まれました。

吉田選手も同じように、彼女のおかげでこれから多くの女性野球選手が生まれ、それこそ日本のプロ野球やメジャーリーグで活躍する選手が生まれるかもしれません。
その意味でも吉田選手が男性チームでプレーすることにこだわったのは愚行ではなく、これからの野球界や選手にとって大きな意味を持つ挑戦だったのではないでしょうか。




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