2019年10月24日に88歳で他界した女優の「八千草薫」さん。
最期は膵臓がんだったのですが、実は1980年にメニエール病を患ったことがありました。
今回は当時、メニエール病を患っていた八千草さんを振り返ってみたいと思います。
名前:八千草薫(やちぐさかおる)
本名:谷口瞳(たにぐちひとみ)
生年月日:1931年1月6日~2019年10月24日(享年88歳)
職業:女優
所属:柊企画
出身:大阪府
学歴:宝塚音楽学校
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「今年の前半は芸術座と三越劇場の舞台、後半はテレビに全力投球」と、予定を立てて、仕事に打ち込んでいた八千草薫さん(当時49歳)が、突然の激しいめまいに襲われて倒れたのは、1980年9月10日のことでした。
この時、医師の診断でメニエール病が判明したのですが、正確には「ある日突然!?スパゲティ」(テレビ朝日・1980年9月25日スタート)の録画撮りが始まって間もなくの頃でした。
当時、八千草さんが所属していた柊企画の山本マネージャーは、
初めは心配をおかけしてはいけないと思って、お知らせしなかったのですが、テレビもスタートしましたし、こちらが心配したほど、病状も酷くないので…病気の兆候の方は、今にして思えば三越劇場に出演中からあったんです。八千草が「どうも体の調子が悪い」と、しきりに訴えていたので、7月と8月の2ヵ月間は大事をとって、彼女に夏体みをとってもらったんです。
とコメント。
この2ヵ月間の休みで、体調が回復するはずでした。
しかし夏休みの後、事務所に現れた八千草さんの顔はすぐれず、
2ヵ月間も休んだのに、夏休みをとった気がしないのよ。
と、体調の悪さをもらしたと言います。
そして、9月10日に激しいめまいに襲われて倒れ、12日から病院に2週間入院。
9月末に一応、発作が鎮(しず)まって退院しました。
山本マネージャーは、
テレビの方は8月の末から録画撮りが始まっていたので穴をあけられず、入院中は病院からテレビ局へ通っていたんです。本人も「自宅から通うより、病院から通った方が安心できる」といいましてね。スタッフの方も気を遣ってくれて、彼女の病状に合わせてスケジュールを組んでくれているんです。ご迷惑をおかけして、本当に申し訳なく思っています。
と語り、さらには、
新聞には、奇病だとか、大変な病気のように報告されましたが、ご迷惑はおかけしているとは言うものの、仕事の方は何とかこなしていますね。とにかく今は本人も神経質になっていますので、大騒ぎして欲しくくないんですよ。
とコメントしていたのです。
ただ、発作はいつ襲ってくるかわかりません。
事実、TBSの「熱い秋」(1980年~1981年)の録画中に、激しいめまいが襲って、八千草さんは倒れているのです。
この時は横になって発作が治った後、再び仕事を続けました。
他にも八千草さんが出ていたテレビ朝日の岩永恵プロデューサー(当時)は、
スタジオに入っても、病気を見せないよう、いつもニコニコと普段の八千草さんと変わりありません。うちは8月の末から撮り始めたんですが、その頃は舞台の疲労がとれなかったのではないですかね。もし、しんどそうなら、なるべく出番も削ったりしますが、今のところは頑張っておられます。
とコメント。
八千草さん本人も、
命にかかわる病気じゃないから頑張りたい。
と言っていました。
この件に関して一番心配していたのは、何といっても事務所サイド。
こういう状況なので、本人の取材は今のところ、全てお断りしているんです。神経を使うのが一番いけないようですから。
とのコメントを出していました。
とは言え、その当時の八千草さんの1週間のスケジュールは、每週月、火がTBS、木、金がテレビ朝日の録画撮りで、この他の躍日に番組のリハーサルが入っており、ほとんどテレビの仕事にとられているような強行スケジュールでした。
八千草さん自身も病気でダウンしてはいけないと、時間の合い間にはなるべく体を横たえてたり、休息をとるようにして対応していたのです。
実際に、TBSのリハーサルを見た人も八千草さんの様子の異常さに気づいて、
たった30センチのステージを降りる時も付き人が手をとってあげていた。やっぱり普通の状態じゃないみたい。
という話が出ていたほど。
そもそも八千草さんが患ったメニエール病とは、回転性めまいや難聴、耳鳴りを主症状とする疾患のこと。
30代~40代の女性にやや多く、やせ型で几帳面、さらには神経質な性格の人がなりやすいという統計もあると言います。
八千草さんもメニエール病について、
頭痛がして、吐き気がして、まるでジェットコースターに乗っているような気分になるの。でも、慣れてくると、発作が起こる前は、耳の具合がおかしくなるので、これが危険信号なのよ。
と打ち明けていました。
メニエール病の原因は不明だそうですが、内耳では内リンパ腔が腫れる「内リンパ水腫」が起きることがわかっています。
精神的なストレスや肉体的疲労、睡眠不足が引き金になると言われています。
1975年に八千草さんは、テレビドラマ「赤い疑惑」(TBS)に出演中に、山口百恵さんの義母役を降りてしまったという過去がありました。
この降板劇には様々な意見が出ていましたが、一説には百恵さんと三浦友和さんのハードなスケジュールについていけず、疲労がたまった結果だったとも言います。
また、八千草さんを良く知る関係者も、
いつも笑顔を絶やさない、ブラウン管で見る通りの穏やかな人で、どんな無理な仕事でもやってのける根性を持っています。こちらで見ていてハラハラする時もある。そういう積み重ねがストレスとなってたまり、今度のようなことになったんじゃないですかね。
との意見が出れば、と山本マネージャーからも、
テレビ朝日の仕事は、今月いっぱいで撮り終わり、TBSの方は12月の半ばで終わります。仕事が終わったら、来年1、2月は休んでもらって、病気の治療に専念させたいと思います。本人は今、病気と闘いながら頑張っていますが、一番辛いのは彼女だと思います。
といったコメントも出ていたのです。
休みたくても休めない人気女優・八千草薫さんが1980年代に患ったメニエール病に関するお話でした。
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