1970年代

山本直純…無免許運転スキャンダルで1年8ヶ月の謹慎?!




 

クラシックの作曲で、指揮に加え「男はつらいよ」シリーズなどの映画音楽なども担当。
「大きいことはいいことだ」の森永エールチョコレートCMなどでも有名な「山本直純」さん。

そんな山本さんは1978年8月、45歳の時に無免許運転の上、制止した警官を振り払って逃走する騒ぎを起こし、世間を騒がせました。

名前:山本直純(やまもとなおずみ)
生年月日:1932年12月16日~2002年6月18日(享年69歳)
職業:作曲家、指揮者
出身:東京都
学歴:東京芸術大学音楽学部指揮科



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1978年8月6日の午後2時頃、山本直純さんは妻と一緒に銀座のステーキハウスで食事をしていました。
実はこの時から怒鳴り合いのケンカをするなど、不穏な空気が漂っていたと言います。
居合わせた他の客からは、夫人が鉄板に右手をついてヤケドをしたようだ、という証言も出るほどでした。

その後、夫妻は東銀座の映画館で山本さんが音楽を担当した「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」を観賞しました。
事件が起きたのは、その帰り道のこと…
午後7時40分頃でした。

警視庁三田警察署の警察官が薄暗い中を無灯火で走る乗用車を停止させ、運転している山本さんに免許証の提示を求めました。
しかし、山本さんは車を急発進させ、窓に手をかけた警察官は約9メートル引きずられて、全治1週間のケガを負ったのです。
山本さんはその場に居合わせたタクシーの制止も振り切り、そのまま逃走しました。

しかし、警察官は倒れながらもナンバーを控えていたため、まもなく山本音楽事務所の車と判明。
出頭を命じられた山本さんは、翌7日に三田署に姿を現しました。

山本さんは学生時代に仮免まで進んだ過去はあったのですが、免許は取得しておらず、無免許のままだったのです。
本来なら、すぐに逮捕されてもおかしくない状況でした。

事態が動いたのは8月10日。
公務執行妨害、傷害、道路交通法違反の容疑で書類送検され、山本さんは同日午後3時から記者会見を開いたのです。

無免許運転についてはこう釈明しました。

運転していた妻が暑さで気分が悪くなり、「フルーツパーラーでお茶でも飲んでいかない?」と言い出した。しかし、午後8時に打ち合わせを控えていたため断ったところ、ケンカになり、気分が悪化した妻の右手が動かなくなった。このため、やむなく運転を代わった。

というものでした。

今後については、「しばらくの間は謹慎自重する」と活動停止宣言しましたが、警察官の制止や、警察官が倒れたことなどは気づかなかったとして公務執行妨害・傷害の容疑は否認したのです。
当時、山本さんは音楽番組「オーケストラがやって来た」(TBS系)の司会を務めていましたが、即座に降板が決まりました。

その後、公務執行妨害と傷害は証拠不十分で不起訴となり、下された判決は無免許運転に対する罰金5万円の略式命令だけ。
山本さんは「(警察官に気づかなかったという)私の主張がご理解いただけた結果とみまして、感謝しております」と語ったのです。
警察官のケガについては治療費の負担とお見舞金で円満解決したことを報告しました。

その後、謹慎生活を続けていましたが、1980年4月6日、実に1年8カ月ぶりに「オーケストラがやって来た」に復帰します。
それからも音楽活動を続けましたが、2002年6月に心不全で惜しまれながら69歳で他界。
妻も2003年4月に亡くなっています。




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