1970年代

舟木一夫…失踪と自殺未遂を経て現在に至る

橋幸夫さん、西郷輝彦さんとともに”御三家”と呼ばれたのが「舟木一夫」さんです。
その舟木さんが1972年4月に衝撃的な失踪・自殺未遂事件を起こしたことがあるのです。

その背景には一体何があったのか…
振り返ってみたいと思います。

名前:舟木一夫(ふなきかずお)
本名:上田成幸
生年月日:1944年12月12日(74歳)
職業:歌手、タレント
所属:アイエス
レーベル:日本コロムビア
出身地:愛知県一宮市
学歴:自由ヶ丘学園高等学校



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1972年4月5日、舟木さんは仕事に向かう途中で消息を絶ち、予定された仕事に穴をあけました。
自殺をはかったのは7日夜9時頃…

「おれはもうだめだ。死ぬかもしれない…」と、舟木さんがマネジャーに自殺をほのめかす電話をかけてきたため、所属事務所は逗留中(とうりゅうちゅ)の旅館に保護を依頼したのです。

舟木さんは部屋に入ってみると昏睡状態で布団に横たわっており、枕元には大量の鎮静剤、先端に血の付いた注射器、腕に注射の痕がありました。
旅館側はただちに119番通報し、救急隊は最寄りの大学病院に緊急搬送したのです。

病院には関係者のほか50人以上の報道陣、舟木さんの知人などが次々と駆けつけて騒然となりました。
人気歌手が起こした自殺未遂騒ぎを翌8日には3大紙までが大きく取り上げ、週刊誌は病室のベッドに横たわり、顔色を失った舟木さんの痛々しい写真も掲載したのです。

原因について最初に疑われたのが女性問題…

実は舟木さんは2年前に失恋で手首を切ったことをこの騒ぎの直前に雑誌に告白していました。
この時は、たまたま発見が早くて助かったといいます。

一昨年の12月30日の夜も、僕はその子の家の前の空き地で、朝まで彼女の部屋を見上げていました。
明け方になって彼女の部屋の明かりが消えました。
そのまま僕は『紅白歌合戦』へ出て『紫のひと』を歌いました。
(右手首の傷痕を見せて)あと20分、発見が遅かったら、僕はこの世にいなかった。

舟木さんの子供を妊娠したとされるクラブの女性まで現れ、騒動は一向に収まる様子をみせなかったのです。
そこで14日午後、渦中の舟木さんが「おわび会見」を開き、まず謝罪しました。

仮にも27歳になった男がとった行為は論外だけど、自分ではどうしようもないほど神経がバラバラになってしまって。
気の弱い事態に自分を追い込んでしまった…
どんなに批判を受けようと弁解の余地は一つもありません。
申し訳ありませんでした。

とし、「自殺未遂」と認めたのです。

また、動機についてはこう語りました。

数年にわたり仕事の疲れがのしかかっていて、できれば長期の休みをとりたいと考え、その心境を(会見を開いて)聞いてもらいたいと思ったが、それもできなかった。

最後は女性問題について…

過去に交際があったのは事実ですが、妊娠うんぬんは関係ない。

と否定し、精根尽き果てたようにばたりとテーブルに突っ伏し、スタッフに抱きかかえられ、舟木さんは再び病院に戻りました。

ちなみに、舟木さんはこの翌年10月にも再び自殺未遂を起こしています。

その後、表舞台から離れた時期もありましたが、歌手生活30年となる1992年に復帰…
現在も舞台やコンサートを中心に精力的に活動し、永遠の青春スターとして圧倒的な人気を誇っています。

2016年には「第1回あらえびす文化賞・特別賞」を受賞…

歌手の他に舞台俳優としても毎年座長公演をこなし、幅広い層から根強いファンを集めています。
ファンはトップランナーだった当時の舟木さんの心中も察しつつ、古きよき時代に思いを馳せているのでしょう。




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