1970年代

黒沢明…自殺未遂の背景には何があったのか?!

1971年暮れ、すでに世界的評価を得ていた黒沢明監督(当時61歳)が自殺未遂騒ぎを起こしたことがありました。

名前:黒澤明(くろさわあきら)
生年月日:1910年3月23日~1998年9月6日(享年88歳)
職業:映画監督、脚本家
出生地:東京府荏原郡大井町(現在の東京都品川区)
学歴:京華中学高等学校



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1971年12月22日朝8時ごろ、東京都世田谷区の黒沢邸の浴室で、お手伝いさんがバスタブの中に血まみれの男がうつぶせになっているのを発見しました。
仰天したお手伝いさんは「誰かわかりませんが、風呂場に男の人が倒れています」と長男の久雄さん(当時26歳)を叩き起こしたのです。

久雄さんが浴室に駆けつけると、倒れているのは父本人…
左右の首筋を5カ所、右手6カ所、左手10カ所をカミソリで切っており、おびただしい量の血が噴き出していたのです。

久雄さんはすぐ119番通報し、救急車で病院に搬入されました。
救急車の中でもうろうとした様子の黒澤監督は「寒い、寒い」とうわ言のように繰り返していたそうです。

首の傷は長さ15センチ、深さ5センチと深いものでギリギリで頸動脈に達しておらず、3時間の手術の末に一命を取り留めました。
手術を終え、意識を取り戻した黒澤監督は駆けつけた脚本家の橋本忍さん、谷口千吉監督、堀川弘通監督ら親しい映画人を病室に招き入れ、「これからの日本映画を頼む」と懇願するように語りました。

久雄さんが雑誌のインタビューに答えたところによると当時、黒澤監督は「ふさぎの虫」にとらわれていたといいます。
きっかけは1967年に製作が発表された、真珠湾攻撃を題材にした日米合作映画「トラ・トラ・トラ!」…
この作品の日本側監督として1968年12月に撮影が始まったのですが、根っからの完全主義で軍艦のセットを何通りも造ったり、リアリティーを重視するために元軍人の素人俳優を起用するなどして、のっけから撮影が遅延したのです。

予算やスケジュールに厳しいビジネスライクなハリウッド流と衝突し、黒澤監督は製作会社と対立してしまいました。
結局、開始から3週間で黒澤監督は降板させられてしまいます。

降板の理由は配給元によれば、黒澤監督の病気によるものとされていました。
しかし、企画や脚本にも深く関わり、力を入れて取り組んでいただけに、疑いの目が向けられたのは言うまでもありません。

それに加え、この頃の邦画は日の出の勢いのテレビに押されて斜陽化が始まっていました。
黒澤監督作品で1970年公開の「どですかでん」も興行成績は振るわなかったのです。

さらに、自殺未遂の前月、11月29日には映画会社「大映」が経営危機で全従業員が解雇され、業務を全面停止しました。
大映は黒澤監督がベネチア映画祭グランプリを受賞した「羅生門」を撮った会社なのですが、12月には不渡り手形を出して、同23日に破産宣告を受けています。
こんな映画界の苦境も鬱屈に追い打ちをかけたのです。

騒動があった1970年代は黒澤監督にとって不遇な時代でした。
撮ったのはソ連映画の「デルス・ウザーラ」だけ…
精神的に回復した1980年代に入り、「影武者」「乱」、「夢」を発表しました。
1998年に88歳で亡くなりましたが、世界のクロサワにもこんな時代があったのです。



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