1980年代

樋口可南子・糸井重里…馴れ初めから略奪婚まで




 

1980年代は、コピーライターや空間プロデューサーなど、おしゃれなイメージの「カタカナ職業」が若者の憧れでした。
特にコピーライターは大人気で、売れっ子は「1行1000万円」とも言われたものです。
そんな一人と人気女優の交際が発覚したのが1982年5月26日のことでした。

女性週刊誌の記者が都心のホテルにチェックインし、コピーライターの「糸井重里」さん(当時33歳)を張り込んでいました。
現れたのは「樋口可南子」さん(当時23歳)で、2人はホテルの部屋で一夜を明かしたのです。

名前:糸井重里(いといしげさと)
生年月日:1948年11月10日(70歳)
職業:コピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家
出身:群馬県前橋市
学歴:法政大学文学部(中退)

  

名前:樋口可南子(ひぐちかなこ)
本名:糸井可南子(いといかなこ)
生年月日:1958年12月13日(60歳)
職業:女優
所属:ユマニテ
出身:新潟県加茂市
学歴:女子美術大学(中退)



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1982年5月27日の正午前、連れ立ってチェックアウトした2人は糸井さんの愛車ルノーに乗り込もうとしました。
その時、記者が糸井さんを直撃すると、「後で連絡します」と言ったまま、車を出そうとしたのですが、気が動転したのかエンジン起動を何度も失敗します。

一方、樋口さんは落ち着いた様子でにこやかな表情でした。
これが妻子ある男性と独身女優の不倫現場がスクープされた瞬間だったのです。

雑誌は6月上旬に発売されました。
当然2人は芸能マスコミに追いかけられます。

6月2日に糸井さんは報道陣に樋口さんとの関係を認めましたが、

弁解するつもりはない。女房も「誰にでもあること」とわかってくれてます。そういう女房を僕は選んだんです。離婚もありません。

とコメントしました。

一方、樋口さんは6月5日、CMの海外ロケから帰って来たところを記者に囲まれ、

結婚は彼も望んでいないし、私も望んでいません。

糸井さんは私の大事な人。

と語ったのです。

糸井さんの妻も女性誌の取材に答えました。

あの人にとってはそれも仕事のうちなんです。私は夫の仕事には口出しはしないことにしている。

この堂々たる公然不倫ともいうべき関係は世間を仰天させましたが、堂々とした態度と2人のキャラクターからか「これも新しいライフスタイルか?」と妙に納得させるところもあり、バッシングの類いはほとんど起こりませんでした。

当時、流行した糸井さんのコピー通りの「おいしい生活」と揶揄(やゆ)されたりもしましたが、2人の仕事にあまり影響を及ぼさなかったようです。

ちなみに、この騒動で樋口さんが名ゼリフを残しました。

妻子のある人を好きになったんじゃない。自分の嗜好(しこう)にかなう人がいて、その人にたまたま家庭があった。

糸井さんは1980年代、「じぶん、新発見。」、「不思議、大好き。」などのコピーで注目を集めました。
1982年から1985年までNHKの若者向け番組「YOU」の司会を務めるなど時代の寵児と活躍したのです。

樋口さんも1984年のNHK朝の連ドラ「ロマンス」のヒロインを務めるなど多数の映画やテレビドラマに出演しました。
1991年には日本初のヘアヌード写真集となる篠山紀信さん撮影の「water fruit 不測の事態」が発売されて注目を集めたのです。

この2人は破局が伝えられたこともありましたが、1993年5月、糸井さんと妻との離婚が成立したのを機に同居。
同年8月に正式入籍し、実に12年越しの不倫に終止符を打ったのです。




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