1990年代に過激なグラビアで時代をリードした写真家の「加納典明」さん。
実は1995年2月に、名前を冠した月刊誌「THE TENMEI」の総集編「きクぜ!2」が、わいせつ図画に当たるとして逮捕されたことがあるのです。
さて、加納典明さんが写真集「きクぜ!2」で逮捕された真相とはどのようなものだったのでしょうか?
名前:加納典明(かのうてんめい)
生年月日:1942年2月22日(76歳)
職業:写真家、タレント、俳優、コメンテーター
所属:株式会社イシ
出身:愛知県名古屋市
学歴:名古屋市立工芸高等学校
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1993年2月創刊の「テンメイ」は全ページ加納典明さん撮り下ろしのグラビアで構成したヌード雑誌でした。
「社会の中で去勢されてしまった」若者に対し、「俺の写真を通じて”精神的劣情”を取り戻してもらいたい」、「美しさより衝撃というものを表現していく」として刊行されました。
ヘア論争もありましたが、「毛という問題はいまさら眼中にない」というのが加納さんのポリシー…
創刊3号までは通常のヘアヌードと変わらない内容だったのですが、4号目から徐々に過激な内容となり、誌上にはひも状に食い込む水着や大股開きのアングルで撮られた写真が注目を集めたのです。
創刊の翌年である1994年7月11日…
警視庁は「テンメイ」に対してわいせつ図画販売の疑いで警告を発しました。
理由は、Tバックの水着を後ろ前にはいて食い込ませるなどの性的な刺激を強めているというような趣旨でした。
ところがこの警告は受けた加納さんは「青少年を勃起させるのが俺の仕事」と闘う姿勢を見せたのです。
「出版社の姿勢が後退したら仕事を降りる」、「警視庁が”加納も引っくくる”となったら裁判でトコトン闘う」とも語っていました。
しかし、警告から半年後の1995年1月24日…
警視庁は「テンメイ」の未公開カットも掲載された総集編「きクぜ!2」を摘発します。
加納さんの事務所と版元を家宅捜索、出回っている同誌の回収を指示しました。
これを受けて加納さんは「わいせつという概念で何かを守ろうとすることがわいせつなんだ。オレはそういう社会にケンカを売っていたい」と徹底抗戦を宣言したのです。
しかし、20日後の2月13日、台東区の略上で逮捕され、加納さんの強気は一転します。
逮捕された瞬間、「すいませんでした」とつぶやき、12日間の取り調べの後には「反省している。今後こういうことはしない」と謝罪したのです。
そうして略式起訴、罰金50万円で釈放されました。
加納さんはこのとき、「意気地なしとか何を言われてもしょうがない。逮捕された時、すぐ“謝っちゃおう”と決めてた」と釈明したのです。
釈放後は毒舌が復活し、取り調べの際、検事と「性器の範囲」について議論になって、医学書のコピーにマーカーで楕円を描いた図を見ながら笑い合った裏話も披露していました。
雑誌は休刊となったのですが、釈放当日には次のヘア写真集「前夜」の仕事を決めてもいました。
その後も写真家、タレントとして活躍し、2012年1月には40年前に撮影された原点とも言える写真を集めた写真集が発売されて話題にもなりました。
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