ジェームズ・ディーンに感化されて映画俳優の道を選んだ「勝新太郎」さん。
「もうパンツをはかないようにする」の迷セリフでも有名な勝さんは、マリファナとコカイン不法所持で現行犯逮捕されたことでも知られています。
名前:勝新太郎(かつしんたろう)
本名:奥村利夫(おくむらとしお)
生年月日:1931年11月29日~1997年6月21日(享年65歳)
職業:俳優、歌手、脚本家、映画監督
出生地:東京市深川区(現・東京都江東区)
学歴:旧制法政中学校(現・法政大学中学高等学校)中退
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1990年1月にハワイで逮捕された勝新太郎さんは罰金判決を受けた後も、1年4カ月ハワイに籠城(ろうじょう)し、パンツ発言以外にも様々なパフォーマンスを繰り広げました。
勝さんは帰国後の裁判でも珍発言を連発し、法廷は爆笑の渦に包まれたのです。
1990年1月17日、羽田発の中華航空機でホノルル空港に降り立った勝さん(当時58歳)のパンツの中からコカイン1.75グラム、マリファナ9.75グラムが発見されました。
ハワイ当局から下された処分は罰金1000ドルで即日釈放という寛大なものでしたが、事件はその後、異例の展開を見せることになります。
日本に戻ると「麻薬取締法の密輸出罪」で警視庁に逮捕されることになると考えた勝さんは、帰国せずハワイに居座る作戦に出たのです。
罰金刑確定後の記者会見で「不徳の致すところ」と謝罪しましたが、
なぜ、コカインを持っていたのか、オレが知りたいんだ。ハメられたとか、ハメられないとか、オレが知りたい。
と、とぼけたコメントも出ました。
さらに入手ルートについては、
機内で「勝さんのファンです」という男性から包みを渡された。
と日本からの持ち出しを否定したのです。
パンツの中から発見された理由についても、
大麻かコカインと思ったのでとっさにパンツに入れた。
と言い訳をしました。
1991年3月12日、ハワイの移民帰化局から強制退去命令が出されます。
この時、会見で出たセリフが冒頭のパンツ発言でした。
それでも、勝さんは強制退去処分に異議申し立てをして帰国を先送りし、麻薬撲滅チャリティーにも出席しました。
愛するハワイで麻薬事件に巻き込まれてしまい、なんとお詫びしていいものか。
と挨拶し、
世界中の若者をドラッグから救いたい。
とも語ったのです。
この苦しみを忘れるなと戒めてくれるのはパンツ。
との冗談も飛び出しました。
もっとも、いつまでもハワイに居座るわけにもいかず…
5月12日、「総理大臣の代わりはいるが、オレの代わりはいない」、「オレは権力と闘う」と、482日ぶりに帰国したのです。
当然、警視庁から事情聴取を受けました。
しかし、演技にかけては百戦錬磨の勝さんは「機内でもらった」という主張を崩さず、取調官も振り回されるばかり。
裁判でも「オレを突き飛ばした捜査官も座頭市の悪役のように謝ってきたがNGだよ」。
証拠品の大麻を見せられた時は「これはモノが良くない」、機内で麻薬を渡した男性について問われると「あれは神様?今度のことは神様がオレに与えた試練だ」と仰天発言を繰り返したのです。
他にも「言葉で説明しなさい」と促す裁判官に「あ、セリフですね」と答えるなど、法廷はさながら劇場のような様相を呈しました。
実刑も予想されましたが、機内に持ち込んだ麻薬が比較的少量であり、仕事を失うなどすでに制裁を受けていると、1992年3月26日に懲役2年6月、執行猶予4年の判決が下されました。
その後、勝さんは1996年に咽頭がん発病。
1997年6月21日に惜しまれながら65年の生涯を閉じたのです。
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