1990年代

勝新太郎…ハワイで強制国外退去の審判を受けたことがある?!





「座頭市シリーズ」や「悪名シリーズ」、「兵隊やくざ」シリーズなど、数々の作品に出演していた俳優の「勝新太郎」さん。

一方で1990年1月には、ハワイ州のホノルル国際空港で下着にマリファナとコカインを入れていたとして現行犯逮捕されるという事件を起こしたことでも知られています。
実はこの事件に際し、勝さんはハワイで強制国外退去の審判を受けていました。

勝新太郎

名前:勝新太郎(かつしんたろう)
本名:奥村利夫(おくむらとしお)
生年月日:1931年11月29日~1997年6月21日(享年65歳)
職業:俳優、歌手、脚本家、映画監督
出生地:東京市深川区(現・東京都江東区)
学歴:旧制法政中学校(現・法政大学中学高等学校)中退




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そもそもの事件が起きたのは、1990年1月16日未明(ハワイ現地時間)のことでした。
羽田発の中華航空機でハワイ・ホノルル国際空港に到着した勝新太郎さんは、税関で不審尋問を受け、別室で身体検査を受けた際に、パンツの中から大麻9.75グラムとコカイン1.75グラムが発見されたのです。

こうして勝さんは麻薬不法所持の現行犯で逮捕され、即座に罰金1000ドルの有罪判決が確定しました。
しかし、罰金と保釈金2500ドルを収めた勝さんは日本に帰国せず、そのままホノルル市内にある知人のコンドミニアムに身を寄せ、ゴルフ三昧、カラオケ三昧の優雅な生活をしていたのです。

しかも、ホノルル市内の移民帰化局からの二度にわたる審判への出頭命令にも拒否。
三度目の出頭命令でようやく審判に臨みました。

審判が行われたのはホノルル市内にあるハワイ高等裁判所364号法廷です。
通常は、同じホノルル市内にある移民帰化局で審判が行われるのですが、勝さんの場合は、日本からの取材陣40名ほどの他に、現地のマスコミの取材も殺到したため、特例として広い高等裁判所を使用することになりました。

午前8時(ハワイ現地時間)に大きなリムジンで高等裁判所に姿を見せた勝さんは、屈強なボディーガード、弁護士、通訳らに囲まれて物々しい雰囲気。
黒いスーツでやって来た勝さんは、ゴルフ三味の影響か、よく日に焼けていたと言います。

審判の内容は、すでに罰金刑が確定し、罰金を支払い済みの麻薬不法所持を問いただす…
というものではなく、勝さんのハワイ入国や滞在を認めるかどうかを決める審判でした。

勝さんサイドと判事のやり取りが行われ下された結果は強制国外退去。
つまり、どこへ行こうと自由だが、このハワイからは2時間以内に出て行きなさいという処分だったのです。

これに対し、任意国外退去(自由な時に退去できる。処分としては強制退去より軽い)を目論でいた勝さんサイドは、処分に納得できないとして、再審判を要求しました。
そのため、勝さんサイドは再審に臨む準備期間として10日間の猶予が与えられたのです。

任意国外退去を望んだり、二度にわたって審判を拒否するなど、帰国引き延ばしを画策していたと思われる勝さんにとって、再審は最後の手段とも言える時間稼ぎでした。

この日、審判決定後、364号法廷の隣にある365号法廷で記者会見に応じた勝さんは、

何でこんなことをしてしまったんだろう。もう、パンツは履かない方がいいんだな…

という言葉と共に、

俺は学校の先生じゃないし、芸能界だから(こんなことも)起きますよ。芸能界を引退する気も、今回の事件を言い訳する必要も俺にはない。

と開き直った様子で反省の色を見せませんでした。

一部では、勝さんが麻薬を隠し持っていたのは、下着のパンツではなく、ズボンの中だったとも言われていましたが、その点に関して、

ズボンの中じゃ落っこちゃうだろ?パンツの中だよ。

と勝さん自身が真相を明らかにしています。

しかし、肝心の入手経路に関しては、

中華航空の機内でもらった。

という主張を操り返すのみ。

弁護士も「帰国後に日本の警察当局に答えなければいけないので、今は言えない」とのコメントがあり、会見は釈然としないままに終わりました。
こうして勝さんは、誰から麻薬を受け取ったかについて、最後まで口を割ることはなく、ハワイ強制退去となったのです。






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