1985年にROGUE（ローグ）のボーカリストとしてキングレコードよリデビューした「奥野敦士」さん。
1989年には日本武道館で行われた単独ライブで8000人を動員し、まさに伝説のバンドとなったROGUEでしたが、1990年に解戳してしまいます。

その後、音楽活動や役者業などで生計を立てていた奧野さんでしたが、2008年に転落事故で脊髄を損傷し、半身不随となってしまいました。
そんな奧野さんが再起を果たしたきっかけが、ミスチルの桜井和寿さんだとも言われているのです。

名前：奥野敦士（おくのあつし）
生年月日：1963年6月25日（55歳）
職業：ミュージシャン、音楽プロデューサー、俳優
レーベル：FOR LIFE、ETERNAL LINE RECORDS、TRUE TRUST RECORDS等
出身：群馬県前橋市

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ROGUE解散から転落事故まで

日本武道館の成功をおさめた翌年に解散したROGUE…
解散の理由は奧野さん自身がソロデビューしたいからという一方的なものでした。

そのため同じ群馬県で生まれ、同じく18歳で上京し音楽の専門学校で知リ合った香川誠さんと決別することになります。
香川さんはこの時、自分の好きなROGUEを奪われたと感じました。

こうして奥野さんはソロ活動を始めると共に、役者としても活動の幅を広げていきます。
アルバム「Brand Nev Story」でソロデビューした後は、東京メンズシャンソンズ、世良公則さんとシナプス、樋口豊さんとWild Wise Apesを結成します。

役者としても映画では「TVO」（1991年）や「大怪獣東京に現わる」（1998年）、ドラマでは「たんぽぽクラブ」（1992年）や「富江恐怖の美少女」（1999年）、その他にもバラエティー番組などに出演しました。

しかし、ソロでも役者としても徐々に仕事が減っていき、生活も荒んでいきます。
毎日、浴びるように酒を飲み、昔のことばかりを思い出していたと言います。

そんなとき、香川さんから「もう一度、ROGUEをやらないか？」という連絡がきたのでした。
この連絡を受け、奥野さんはROGUE再結成のために荒んだ生活から脱却したいと、酒を断つことを決意します。
昼間は解体業の仕事に励み、夜は復活ライブに向け、曲作りと生活を一変させました。

しかし、香川さんからROGUE再結成の連絡を受けた4ヶ月後…
奥野さんは地上7メートルの屋根からコンクリートの床に転落するとという大事故に遭ってしまいます。

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転落事故の経緯と訴訟

奥野さんが目を覚ましたのは、転落事故から数時間後のこと…
体は首から下の感覚がなくなっていました。

診断結果は、頸椎損傷（けいついそんしょう）…
奥野さんは胸から下が全く動かせず、完全介護の状態になったのです。

これに際し、工事現場での転落事故で身体が不自由になったのは、雇用主などが安全配慮を怠ったためとして、奥野さんは県内4業者に計約2900万円の損害賠償を求める民事訴訟を前橋地裁で起こしました。

奧野さん側は、奥野さん自身が高所の作業経験がなかったにも関わらず、被告側が安全教育や危険防止の措置を怠ったことが転落事故につながったと主張したのです。

一方、訴えられた工事の元請けや下請けの計4業者は、取材で「安全管理は万全だったと考えている」とコメントしています。
ちなみに奥野さんは3次下請け業者に雇われていました。
訴訟では口頭弁論が開かれ、業者側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示しています。

この訴訟に関して、その後のことはインターネット上でも明らかにはなっていません。
おそらくは示談（表沙汰にせず柤互間の話合いで解決すること）になったのではないかと思われます。

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転落事故からROGUE再結成まで

こうしてトイしにも自分で行けない完全介護の身になった奥野さん…
何よりもショックだったのが歌えない体になっていたことでした。

事故から2ヶ月が過ぎた頃、ようやく車椅子に乗れるようになり、奥野さんは所沢にあるリハビリ病院に移りました。
そうして、病院の屋上で初めて誰もいないところで声を出してみたのです。

すると腹筋が使えないために音程も取れず、声すら出ませんでした。
この時のことを奥野さんは「ドン底だった」と語り、初めてボロ泣きしたと言います。

しかし、ここから人生は上向いていきます。
その後、病院の先生や介護士さんからお腹を押せば声が出ることを教わり、車椅子の安全ベルトでお腹を締めて腹筋をコントロールできるようになりました。
すると徐々に声が伸びたり、音程が取れたりするようになったのです。

リハビリを開始してから1年半が過ぎた頃にはルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界」をYouTubeで公開…
多くの友人やファンから驚きの声が寄せられました。

そうして転落事故から4年後の2012年夏、ミスチルことMr.childrenの桜井和寿さんが車椅子で歌う奥野さんについて熱く語り、同時に桜井さんがROGUEの「終わりのない歌」を歌った際には、会場で奥野さんの映像が流れました。

桜井さんは奥野さんに共演を望みましたが、奥野さんの体調がすぐれずに映像のみの出演となったのですが、このライブを偶然にも見ていた香川さんは、奥野さん再びROGUE再結成を打診したのでした。

こうして1990年に解散したROGUEは2013年10月19日に群馬・グリーンドーム前橋で開催されたライブイベント「GBGB 2013 G-Beat Gig Box」に出演し、再結成が実現したのです。
実に23年振りのことでした。

その後の奥野さんはと言えば、2015年1月27日に12歳年下の一般女性と結婚したことを写真付きで報告…
「音楽活動も生活もやり続けられる自信がつきました。ハッピーになります！二人で頑張っていきます！今後ともよろしくです！」とコメントしています。

また、同じ年の1月31日には25年振りのROGUE東京公演を行いニューアルバム「REAL AGAIN」やソロアルバム「ロックスターよ歌ってくれ！」をリリースするなど精力的に活動しているのでした。

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