1970年代

田淵幸一…前夫人・谷口博子との馴れ初めから結婚披露宴

目次




 

“3代目ミスタータイガース”とも称され、福岡ダイエーホークスの監督や阪神タイガースOB会会長を務めた「田淵幸一」さん。
今の夫人は元女優でタレントのジャネット八田(八田有加)さんですが、その前に前夫人である谷口博子さんと1975年に結婚しています。

そこで今回は、田淵さんと前夫人の博子さんとの馴れ初めから結婚披露宴について、振り返ってみたいと思います。

名前:田淵幸一(たぶちこういち)
生年月日:1946年9月24日(72歳)
職業:元プロ野球選手(捕手、内野手)、元監督・コーチ、野球解説者
出身:東京都豊島区
学歴:法政大学




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田淵幸一と前夫人・谷口博子との馴れ初めと結婚式

1975年1月17日、田淵幸一さんと前夫人の谷口博子さんは、京王プラザホテル内の結婚式場で結婚式を挙げました。
田淵さんは、

式ではすごく緊張して、すっかりあがっちゃいました。阪神に入団して、公式戦で最初のバッターボックスに立った時みたいに、足がガタガタふるえるんですよ。

と語り、妻となる博子さんも、

初めての結婚式みたいに、感激で胸がいっぱいになり、涙があふれて困りました。

とコメントしたのです。

実は田淵さんは未婚の父親であり、博子さんも離婚歴のある2児の母親でした。
そんな人生経験を積んでいる2人にとって、結婚式はそこまで感動しないだろうと思われていたのですが、実際には2人が神前に並び、神主の祝詞が始まったか始まらないうちに、新婦の博子さんは盛大に涙を流していたのです。

一方、新郎の田淵さんも羽織はかま姿で、足の震えこそ見えませんでしたが、顔が硬直して脂汗を流していました。
式場には両家の親族約50人ほどだったのですが、誓いの言葉を読み上げる田淵さんの声は、その体の大きさとは対照的に蚊が鳴くような声だったと言います。

しかし、式が終わり記者会見のときには2人はすっかりリラックスしていました。
記者から「お互いに魅かれたところは?」と聞かれると、田淵さんは、

おとなしいところ、優しいところです

と答え、博子さんは、

やっぱり外見ではなく、彼の気持です。一本気でスポーツマンらしくさっぱりしていて、ぐんぐん私を引っぱってくれる強い力に魅かれて、だんだん彼が素敵に思えてきたんです。今はとっても幸せです。

と答えていました。

「どういう家庭を作りたいか?」という質問に対して田淵さんは、

職業がらどうしても家を空けることが多いし、そのとき後顧の憂いなく野球に打ち込めるように家を守ってもらうことが一つと、もう一つは気楽に友人を連れて来られるような家庭にしたいですね。

と語っています。

また、博子さんの料理の腕前に関しては、

料理学校にも通ったらしいんですけど、さっぱりですね(笑)料理は僕の方がうるさいんですよ。これからおいおい仕込んで行きます。

と田淵さんの厳しいコメントが入り、博子さんも、

食べ物は満点でないと気に入ってくれないんです。その点だけは厳しいんですよ。彼はカロリー表まで用意し、こういうふうに作れって具体的に指導してくれます。

と答えました。

肝心のプロポーズの言葉に関しては、

確か電話で話している時、黙って俺について来いというようなことを言ったような…(笑)

と田淵さんは答え、子ども3人くらい欲しいとコメントしています。

最後に今年の抱負を聞かれた田淵さんは、

長島さんが引退して非常に淋しいんですけど、プロ野球選手全体の責任として、この大きな穴を埋めなければならないと思うし、僕自身、家庭を持ったことによって余計なことに気を使わないで済むようになるわけですから、7年目の今年あたり、チームの優勝はもちろん、個人タイトルもはっきり狙いたいですね。父が死んだことによって、母からも一家の柱として頑張るように言われたし、僕自身もはっきり責任を自覚している。この新しい人生のスタートを切りたいと思っています。

実は2人の結婚式は1974年の12月12日と決まっていました。
しかし、田淵さんの父親・綾男さんが9月15日に急死したことによって、翌年の1975年1月17日 に延期されたのです。

とは言え、ハネムーンは当初の予定通り、1974年の年末に2週間ほどハワイに行っており、挙式後すぐ田淵さんは自主トレーニングを開始し、2月からのスプリングキャンプに入っていました。




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田淵幸一と前夫人・谷口博子との結婚披露宴

挙式の後は披露宴です。
披露宴は午後1時から、京主プラザホテルのコンコードボールルームに約300人の招待客を集めて行なわれました。

当時、ジャイアンツの新監督となったばかりの長嶋茂雄さんや、まだ現役選手だった王貞治さん、さらには阪神の新監督となった吉田義男さんに、ミスター赤ヘルこと山本浩司(現:山本浩二)さんや星野仙一さんも現役選手として参加するなど錚々たる顔ぶれだったのです。
また、この他にも元水泳選手の木原光知子さんや女優の朝丘雪路さん、ドカベンの作者・水島新司さんもいました。

披露は型どおり媒酌人の報告や新郎・新婦の紹介に始まり、乾杯やケーキカットと進むのですが、その中で日本酒樽の鏡開きがあったのです。
この鏡開きを当時ホームラン争いをしていた田淵さんと王さんが向い合って豪快に行いました。

スピーチでもこの2人にことに触れる人が多く、長島さんは、

17年間両野球をやってきて、一番幸せだったのは、阪神タイガースという最大のライバルに恵まれ、いわゆる伝統のゲームで互いにワザを競い合ってきたことでした。田淵選手は今日から新しい人生にスタートするわけですが、これを機に王選手と共に日本のホームランバッターの双璧として、なおいっそう頑張って欲しいと思います。

とスピーチすれば、王さん自身も、

田淵選手とはここ数年、ホームラン王を争う仲ですが、実力のある最も手ごわい相手が、結婚したことによって精神的に安定するわけですから、今年は昨年以上に熾烈な争いになると思います。大いにカを競い合いましょう。

と語りました。

中でも盛り上がったのは、朝丘雪路さんのスピーチでした。

田淵選手には、私の後援会の催しに何回か来て頂いて、以前から親しくして頂いていたんですけど、つい最近、新幹線の中で、とても気さくで明るい女性の方とお近づきになり、野球の話になったところ、その方がしきりに「ウチの田淵が」、「ウチの田淵が」とおっしゃる。ハテナと思ったら、それが今日の花嫁の博子さんだったわけです。

披露宴の締めくくりは、野球選手ののど自慢大会でした。
山本浩司さんの歌う石原裕次郎さんの「泣かせるぜ」に続いて、当時は中日ドラゴンズに所属し、野球だけでなく歌もプロ級と評判の星野仙一さんがカルメン・マキさん「時計をとめて」を歌い上げ、各場をジーンとさせてしまうという場面もありました。

一方で「そんなおとなしい歌は田淵選手には似合わないよ」と、水島新司さんが自作の「男どアホウ甲子園」を歌い、最後は田淵さんの母校である法政大学の校歌と、阪神タイガースの「六甲おろし」の大合唱で、1千万円の豪華披露宴はお開きになったのです。




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