1960年代

藤山寛美が松竹新喜劇を除籍された驚くべき理由とは?





アホを演じさせたらこの人を超える役者は今もいない…
そう称された人物こそ喜劇役者・藤山寛美さんです。

名前:藤山寛美(ふじやまかんび)
本名:稲垣完治(いながきかんじ)
生年月日:1929年6月15日~1990年5月21日(享年60歳)
出身:大阪府大阪市西区
職業:喜劇役者




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言うまでもなく、上方喜劇界を代表する藤山寛美さん…
1990年に亡くなってから四半世紀が過ぎた今でもDVD-BOXの売れ行きは好調だとのこと。
暗さを吹き飛ばすシンプルな笑いが、今の世相にマッチしているようです。

しかし「後にも先にも寛美しかいない」とまで言われた松竹新喜劇の看板役者・藤山さんは(当時36歳)ですが、実は松竹を一度クビになっているのです。
1968年4月7日、松竹芸能の重役室に呼ばれて藤山さん…
重役から「新喜劇やめてくれへんか」と申し渡され、とっさに「はい」と答えました。

この理由を藤山さん本人にもわかっていたのです
それは暴力団との腐れ縁、そして莫大借金の存在でした。

今では考えにくいことですが、当時の興行は暴力団抜きには成り立たず、そのことについて昨今のように批判が集まったわけではありませんでした…
むしろ問題は借金の方だったのです。

その額は1億4000万円とも1億8000万円とも言われました。
大卒の初任給が約2万5000円の時代の金額です…
現在の貨幣価値に直せば軽く10億円は超えるでしょう。

表沙汰になったのは1964年10月…
債権者の一人である街金融の社長が藤山さんに対する破産宣告を大阪地裁に申し立てたのです。
同月初め、藤山さんが振り出した約束手形が銀行で不渡りになり、瞬く間に金融業者の間に情報が広まったからです。
1000万円を貸し付けていた街金社長は取りっぱぐれるのを恐れて、すぐに藤山さんに書面で返済を迫ったものの、なしのつぶて…
法的手段に打って出たのでした。

これを境に藤山さん名義の振出手形が方々に流れていきました。
そのため劇場には目つきのよろしくない連中がウロウロすることにもなったのです。




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藤山寛美の借金が膨らんだ理由

では、そもそも藤山さんはなぜここまで借金が膨れ上がってしまったのでしょうか?…
当時の藤山さんと言えば、舞台人の長者番では師匠の渋谷天外さんと共に常に上位を占めてきたほどの人です。

しかし舞台人トップの収入ぐらいではとても藤山さんの夜遊びを支えきれませんでした…
「打つ」方にはのめり込まなかったのですが、「飲む」、「買う」には湯水のごとく金を使ったのです。

バーではチップをばらまき、ボーイにクルマを進呈したこともあります。
ありとあらゆる職種の女性と付き合い、一時は名直閨のゲイバーのホステスに入れ込んだことも…
それが「芸のこやし」になると信じて疑わなかったのです。

放蕩(ほうとう)の末、松竹新喜劇を除籍になった藤山さんですが、その期間は意外に短いものでした。
松竹を除籍された年、1968年11月の公演に早くも復帰したのです。
その理由は明らかで、藤山さんがいなくなった途端、客足が急速に落ちてしまったからです。

松竹新喜劇では当時、人気があったミヤコ蝶々さんと南都雄二さんを新加入させたものの観客増には結びつかず、松竹側としても藤山さんを呼び戻すしかなかったのです。
藤山さんが7カ月ぶりに登場した公演は連日大入り満員…
「藤山あっての松竹新喜劇」であることを改めて証明したのです。

こうしたことは最初から予想できたのに、なぜクビにしなければならなかったのでしょうか?…
後に判明するのですが、藤山さんが13歳の時から面倒を見てきた師匠の渋谷さんが強硬に主張したという経緯があるのです。
いさめる気持ちの一方で、関西一の喜劇人に育った弟子へのねたみが背景にあったと言われているのです。




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