1974年のシングル曲「バス通り」でデビューした「甲斐バンド」。
第8回日本有線大賞優秀新人賞を受賞するなど、様々な活躍を見せていましたが、1986年に解散しています。
その後は再結成と解散・活動休止が幾度か繰り返されていますが…
そもそも甲斐バンドが1986年に解散した理由は何だったのでしょうか?
バンド名:甲斐バンド
ジャンル:ロック、歌謡曲、フォーク
活動期間:1974年~1986年、1996年、1999年~2001年、2007年、2008年~2009年、2009年~
所属:甲斐オフィス
レーベル:キングレコード
メンバー:
甲斐よしひろ(ボーカル・ギター)
松藤英男(ドラムス・ボーカル・ギター)
田中一郎(ギター)
大森信和(ギター)※旧メンバー
長岡和弘(ベース)※旧メンバー
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1974年11月に「バス通り」で鮮烈デビューを果たした甲斐バンド。
1979年にはSEIKOの腕時計のCMのタイアップで出した「HERO(ヒーローになる時、それは今)」が、初のオリコンチャート1位を獲得しました。
この曲は140万枚の大ヒットとなり、甲斐バンドの知名度を高める起爆剤ともなったのです。
その後もHEROに次ぐ大ヒットとなった「安奈」(1979年)などのヒット曲を次々に生み出し、その野性味たっぷりのライブは当時の若者のハートをがっちりとつかみました。
さらに、年間100本を超えるコンサートの動員力に加え、その当時までに発売したシングルが30枚、LPは17枚、さらにビデオなどを含めるとデビューからの12年間に何と150億円以上を稼ぎ出したのです。
だからこそ、この1986年の突然の解散は合点がいかないファンも多かったのです。
デビュー以来、九州出身(主に博多)のメンバーで結束し、活動して来た甲斐バンド。
実は12年間の間にある重大な間題抱えていました。
それはギタリストの大森信和(おおもりのぶかず)さんが耳を悪く(難聴)し、ステージ活動ばかりでなく、レコーディングでも微妙な音を聞き分けることが困離になっていたのです。
大森さんは甲斐バンドサウンドの核をなすキープレイヤーでした。
愛用のギター(レスポール、レス・ポール・モデル)で奏でるチョーキングは「泣きのギター」として、甲斐バンド独自のサウンドを創り出していたのです。
また、大森さんは甲斐バンドで最年長であり、皆が頼りにする存在でもありました。
リーダーの甲斐よしひろさんは、大森さんのことを「さん付け」で呼んでおり、メンバーが外で喧嘩をすると、よく仲裁に入っていたりもしたのです。
1986年になってスタッフを交え、何度も話し合いました。
この時、大森さんは甲斐バンド脱退を表明し、ギターの田中一郎さんは泣いて大森さんを引き止めたという話もあります。
そして相談の結果、「大森さんを他のギタリストに変えるくらいなら、いっそのこと解散して再出発しよう」という結論に至りました。
そして、12年間の総決算という意味を込めて、ラストLPとなる「REPEAT & FADE」(1986年3月5日)をそれぞれのプロデュースで作ったのです。
3月3日深夜、東京・青山のレストラン「CAY(かい)」でこの新アルバム発表会が行なわれました。
ステージに立ったリーダーの甲斐さんは解散について、
大森の耳が悪くなったということも理由の一つです。しかし、俺たちはこの12年間に音楽的にも全ての面でも十分やれたと満足してます。俺たちの解散とは消え去るといったようなトーンダウンしたものじゃないんだ。俺たちはもう真夏の夜の花火のように燃え尽きたんだ。12年間といえば長いような短いような年月でした。どうもありがとう。
と語ったのです。
甲斐バンドはこの年の3月14日から、四日市文化会館を皮切りに、全国50ヶ所をまわるファイナル・コンサート・ツアー「PARTY」を開始しました。
ツアーの最後は過去7年間にわたって、毎年12月に2回公演を行なってきたホームグラウンドの武道館で、6月23~27日の5日連続公演を行なって、12年間にわたる甲斐バンドに別れを告げたのです。
さらに6月29日には、横浜・黒澤フィルムスタジオで、1500人限定のオールスタンディングのシークレット・ギグを最後に甲斐バンド解散しました。
その後、甲斐バンドは再結成と解散・活動休止を繰り返しながらも、甲斐さんのソロ活動と並行しながら活動は続行されています。
最近でも2016年8月7日に「THE BIG GIG AGAIN 2016」を日比谷野外大音楽堂で開催しました。
一方、大森さんはバンド解散後、レコードメーカー(株式会社ファンハウス)のディレクターや音楽プロデューサーとして活躍していました。
その後も音楽活動や甲斐バンド再結成に参加していましたが、2004年7月5日に心臓疾患で亡くなっています。
52歳という若さでした。
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